豪吹B



僕は狐になっちゃったみたいなんだ。

「俺よりふわふわしてるな。」

豪炎寺くんは僕の耳や尻尾の柔らかさ指で堪能していて何だか楽しそうだ。
僕はまだ上手く自分の身体に起きたことを理解出来ずに、自分から生えている髪と同じ灰色の尻尾を見ている。

「ほら、ちょっと動かしてみろ。」

「えっ、どうやるの?」

「普通に…。」

んー、出来るかなぁ
尻尾を持ったことがないから動かし方なんて分からないけど…

「あっ、動いた!」

ちょっと力を入れてみたらすんなり揺れた。

「わぁ、本当に僕のなんだ。」

「今までだって無意識に動いてたぞ。」

「そうなの?」

「あぁ、俺が膝に乗せたときとか。」

そうなんだ…!
なんか感情を見透かされてる見たいだ。気を付けないとバレちゃう。豪炎寺くんが傍にいるだけで嬉しいって…


「……まだ身体痛むか?」

「うん。……それに、お腹空いた。」

ちょっと拗ねた口調で言ってみた。豪炎寺くんが昨日激しくしたんだろ……、今日くらいワガママ聞いてもらうんだから。

「じゃあ何か作るか…。」

「手作り…!?」

「ん?…あぁ。」

「僕、豪炎寺くんが料理してるとこ見たいっ」

「はいはい。」

目を輝かせる僕を、豪炎寺くんが姫抱きにしたまま立ち上がってリビングに向かう。
豪炎寺くんの手料理が食べれるなんて……!
うふふ。楽しみだなぁ

昨日から色々な事があったけど、こういう時間が僕にとって一番安心できる。豪炎寺くんが傍にいるなら尚更。
僕って幸福者だな…。





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