豪吹A




…………んん。

あれ、ここどこだろう………?

目が覚めきらない。
何だか頭がボーッとする。
喉が痛い。

……………。


白い天井……、知らないベッド…ぶかぶかのパジャマまで着て……。


…………いたっ

起き上がろうとしたら腰に激痛が走った。全体的に身体の節々が痛いし、ダルい。

結局起き上がれなくてポスッとベッドに倒れる。
今何時なんだろう…?


どうして僕ここに…

確か今日は普通に登校して授業受けて…。
えーっと…

っあ!
豪炎寺くんにいきなり告白されて、豪炎寺くんが妖怪で…

そうだ//
そのあと僕、結局流されて豪炎寺くんとシちゃったんだ///
最初の方しか記憶にないけど。
初めては痛いって聞いたことあったけど、気持ち良かったなぁ…///……なんて


きゃぁー//

急に恥ずかしくなって手で顔を覆ってもだえる。

「吹雪」

「わぁ!!」

すぐ近くで声がして見たらベッドの縁から顔を出している豪炎寺くんがいた。彼の頭からはひょっこり耳が生えていて、今日の事が現実だって改めて思い知らされる。

「い、いたなら教えてよね!」

「悪い。可愛くてつい。」

「っ//」

じゃあ、ここは豪炎寺くん家か。
豪炎寺くんは、床に膝をついた状態で手を伸ばして横になっている僕の髪をさわさわ撫でてくる。

「身体、大丈夫か?」

「痛い。腰とか喉とか………ねぇ、ぼくあの時の事よく覚えてないんだけど、何か言ってた…?」

「…あぁ。……最初は恥ずかしがってたが、最後はもっともっとって…気が飛ぶまで大変だったぞ。…ッフ、初めてなのに大胆なやつだな。」

「嘘だぁ!?」

ぼ、ぼくが…!?

「覚えてないのか?」

「まったく…。」

へにゃーっと項垂れる。そんなぁ…僕あんまり何かをねだったりしたことないのに…。
僕の身体を気にしてか、髪を撫でていた手がそっと腰の方に移動する。

「ねぇ、」

「ん?」

「僕たち付き合ってるの?」

「俺はそのつもりだが…?」

……よかったぁ。

「……色々とばしすぎじゃない?」

「あぁ。……時間がなかったんだ。」

「……え?」

「いや、そのうち話す。それより今日の学校どうするんだ?休むか?」

「あぁ、そうだ学校…………え!?」

学校!?しかも、今日!?

「いまなんじ!?」

「八時だ。」

大変だ!
僕そんなに眠ってたんだ。
………豪炎寺くんのせいだからね//
しかもちゃっかり自分だけ着替えてるし。

「いったぁ」

いきおいで起き上がれたけど、維持出来ずに肘をつく。
豪炎寺くんは僕をまた横たえると。

「無理するな。」

今日は休もう。と額にキスをして部屋を出ていった。

もしかして僕、ここでお留守番かな…。


静かになった部屋をくるりと見渡す。
ほとんど生活感がなくて、物もきっちり片付いている。意外だ。掃除下手そうなのに…



「……!っごほ、こほ」

見回してたらいきなり咳が出た。珍しいな、あんまり体調くずしたこと無かったのに…。

よく見たらパジャマは上だけしか着ていなかった。まぁ、下を履かせてもらっていてもこの大きさだったら脱げてたかも。


………………あれ?


もしかして豪炎寺くん、気絶しちゃった僕をお風呂に入れてくれたのかな!?//
ありがたいけど、なんか気恥ずかしい…//

だって僕の知らない間に僕の身体を…ゴニョゴニョ////



「何やってるんだ。」

「あ、豪炎寺くん。…いってらっしゃい。」

無意識に布団をかぶって悶々としていた所を豪炎寺くんがはぐった。

「今日は俺も休む。」

「え?」

「ひとりだと寂しいだろ?」

あ、またこの感じ…

「さ、寂しくないよ!」

俺様的な意地悪な声で言われて思わず反発する。今度こそ流されちゃダメだ。
……けど、本当はちょっと寂しかった。


「うあっ!?」

豪炎寺くんはベッドに腰かけると、よいしょ。っと僕を姫抱きして自分の膝に乗せた。しっかり支えられてるし、さっきより痛みも辛くないし、僕は体重を預けた。

豪炎寺くんはそのまま僕に顔を寄せて頬にキスしたり耳にキスしたり髪に鼻をうめてみたり……

「………?」

ふと目に入った豪炎寺くんの尻尾がフサフサと左右に揺れてるのが見えて、何だか犬みたい。

「ふふ//」

「…どうした?」

「ううん。僕幸せだなって…」

昨日の分の甘い時間が流れる。

「俺の方がそう感じてる。」

「えー、僕だよ。」

「俺だな。」

こんな張り合いも、恋人じゃないと出来ないよね。


「ところで、さ……君の身体の事なんだけど…。」

こうして近くで見るとやっぱり耳も尻尾も本物だ。手を伸ばして耳をさわってみるとヒョコッと動いた。
思ったよりしっかりしてて毛もふわふわしてて…なんか可愛い//

「どうした?」

「あ、そうだ。」

うっかり耳に気をとられちゃってた。

「その、君の精ってやつをを受け取ったわけだけど…//具体的に僕ってどうかするの?」

「俺と同じまでとはいかないが、少なからずお前も九尾の力を得たことになるな。」

「…?」

「お前も九尾になるってことだ。」

「へぇ…!」

なんか他人事みたいだけど、昨日散々パニックになったせいか
今の僕は何を言われても驚かない自信がある。受け止めきれてない部分もあるけど、何となく予想してたような。

「平気なのか?…その、俺といるほど人間じゃなくなるんだぞ。」

「うん。いいよ。」

なんか今更ながらって感じでシュンとする豪炎寺くん。

「昨日も言ったけど、僕豪炎寺くんの事好きだから。」

「本当か?」

「じゃなかったらシてないよ//」

もう、昨日はあんなにグイグイ押してきたくせに。
恥ずかしくなってきて豪炎寺くんの胸に顔を隠す。

「…吹雪。」

「………。」

後悔するならもう口きいてあげないからな。

「ふーぶき。」

「……………。」

「ふぶき…?」

「……………。」

「へぇ。」

「……?……んにゃあっ//」


な!なに?

「吹雪。こっち向いて。」

「や、やだぁ…っん、あぁあっ」

どこ触わられてるのか分からないけど。敏感な部分なのか、ちょっとクリクリいじられただけで身体が一気に熱くなって、気持ちいい//
こんな表情見られたくない。

「弱点は一緒なんだな。」

「へ?…んっ」

豪炎寺くんの気になる言葉に、顔を上げたら直ぐに唇を奪われた。しまった…

だけどとりあえず止めてくれてよかった。

「んん//…ぷはぁ」

「ッフ…吹雪、可愛い。」

「んー//…なにしたのさ。」

「何って、ほら」

豪炎寺くんの手が僕の背中の方に回ると…

「!ひゃあんっ//」

「な?」

「は、はやくどけてぇっ//」

はうぅ、反射的に腰が跳ねる。
僕もう涙出そう。

「はぁ//…はぁ…。」

「吹雪、見て。」

「ん?//」

いきなりの快楽で息が整わない僕の目に、ふさっとした灰色の物が映った。

「お前の尻尾だ。」

「……え?!」

「…?気づいてなかったのか?」

「……え……え?」

尻尾と豪炎寺くんの顔を交互に見る。
ほら。と豪炎寺くんが僕の手を取って触れさせると、ふさふさしてて触られてるって感覚が伝わる。

あ…僕のだ…。

「お前、もうなってるよ。」

頭の上でヒョコッて耳が動く感覚がした。




――――――――…
またまたこねたじゃない長さに…笑
そして続くかもです。
上手く話がまとめられない(ノ_・。)


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