買い物はとっても楽しかった。
二人で出かける機会なんてなかなか無いし…

でも、買い物の最中にも周りからの視線は熱くて。
これじゃ学校と変わらないじゃないか……。
そんな小さな事でも落ち込んで、自分に自信がなくなってくる。


帰り道。肩を並べて歩く
ふと夕日が沈んでいくのを見て、告白のことを思い出した。
明日になったら、また君は違う世界の人間になってしまう…。そのまえに、せめて今日、いや今だけは僕を見てほしい。



橋下についたけど、どうやって打ち明けたらいいのか分からない。橋を支えるコンクリートに背中をつき、考える。
しばらくの間沈黙がながれた。



……言わないと。
心臓はドキドキで、叶わないって分かってるハズなのにどこか期待しちゃってて………
そりゃ言わない方が逃げれるけど、なにもしないまま他の子にとられちゃったら嫌だ。

「豪、炎寺くん」

「…ん?」

だいぶまたせちゃってるハズなのに彼の声は優しい。

「あのね、驚かないで聞いてね?」

おずおずと口を開く。

「ああ。」

「ぼ、ぼ、僕ね…」

テンパっちゃう。だって僕告白したことないし、
ああ!顔が熱い

豪炎寺くんは黙って待って聞いててくれる。逆光でよく見えないけど、何となく微笑んでるようで、かっこいい…


やっぱり君のとなりは僕がいい。


「僕ね、あの…」

目に涙が溜まる。
言っちゃったらきっと、明日からは元の関係には戻れないんだよね…。でも一度開いた口は止まらない

そして

「…き、…君が、好きなんだっ。」


ついに言った。

ビックリしたのか引いたのか、音で彼がハッと息を飲むのが分かった

やっぱり嫌、だよね?

「ごめん!忘れてっ……………!?」

今にも流れ出そうな涙を脱ぐいながら苦し紛れの笑顔を作ろうとしたとき、いきなりぎゅっと抱きしめられた。

え!?

「豪炎寺く「良かった!」

彼の声が頭に響く…。

良かった?


彼が体をちょっと離し顔を覗き込んで

「吹雪。俺は、お前が好きだ。大好きだ。」

そしてさっきよりも力を込めて抱きしめられる。


え?し、信じられない…

「ほんと?」

抱きしめられたまま聞き返す。
だって、こんなことって…。あ、僕いま豪炎寺くんに抱きしめられてるんだ。暖かい。…じゃなくて…………からかってない?絶対冗談だよ。

そう思っても

「本当だ。」

君のひと言葉は優しい重みがあって、信じざるを得ない。
僕の目からは、さっきとは違う涙が流れる。


その雫が伝う頬に手を添えられて、そっと上を向かされれば黒い瞳と目が合って


「なぁ吹雪。もう一度、言ってくれ。」

濡れた睫毛に撫でるように唇を寄せられる。

「…うん……。」


あぁ、僕幸せだよ。

今度はしっかり目を見て

「僕は、豪炎寺修也くんが好きです。」

そして引き寄せられるようにお互いの唇が重なる。


二人の距離0p


君とは(お前とは)運命を感じた。





5*22 豪吹記念
お付き合いありがとうございました!

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