吹雪の事は入学した時から気になってた。


でも一年時はクラスも違って会う機会もほとんどなく、友達かどうかも危うい関係だった。が、二年になったとたん一気に距離が縮まった気がした。

小さいから危なっかしくて、目が離せない。
いつも気にして、悪い虫がつかないようにと周りに目を光らせたり…

そうだな。俺はかなり吹雪に惚れ込んでる。



特にこの二ヶ月でかなり親しくなったと思う。時には吹雪から外出を誘う日もあった。
素直に嬉しい。
そんな事があるともしかしたら吹雪も……、なんて自惚れてしまう時がある。

実際吹雪はどう思うだろうか…。男にこんな想われるなんて、普通のやつなら嫌だよな。

この気持ちを伝えてしまったら、友達ですらいれなくなってしまうと思うとなかなか打ち明けられなかった。


吹雪はモテる。
自身は気がついていないかも知れないが、密かな想いを秘めた女子はクラスにも数多くいる。たまには男子だって…
ライバル、と見ていいのか分からないが吹雪を好きな他のやつと話す吹雪の姿を見るとヒヤヒヤしてしょうがない

だからこうやって会う機会を作ろうとするんだ。
一緒にいるときくらいは俺の事だけを考えていてくれるだろう…

友達だと思っている吹雪の気持ちを裏切るようで心痛いが、俺は吹雪が好きだ。


スパイクを選んでほしいと買い物に出た当日

吹雪は何だか元気がなかった。気のせいかも知れないが、「大丈夫か?」と聞くと「え?あ、うん!」と笑顔で返すあたり怪しい…

吹雪は感情を笑顔で隠す癖がある。それは一緒にいるうにち知ったことで、その笑顔の瞳の中には何か寂しさを感じる。
それを俺に教えてくれたら…


買い物が済み、帰り道に土手を歩く。川には夕日が映って綺麗だ。

「今日、迷惑じゃなかったか?」

横で歩く吹雪にさりげなく聞いてみた。

「ううん。楽しかったよ!合うスパイクが見つかって良かった。」

楽しかった。か…
なら、良かった。気のせいだったのかもしれないな

「………?」

気がつくと隣に吹雪はいなかった。

振り返ると、三メートルくらい離れた場所から川をジッと見ていた。
吹雪の目には夕焼けでオレンジに染まった川の光が差し込んでいて、綺麗だ。


「どうした?」

声をかけると、俺の方を向く。
見つめたその表情は切なくて、触ったら消えてしまうんじゃないかと思わせる儚さを帯びていた。


「あのね、話があるんだ…。」

「?」

ここでは言いにくいと、橋下へ移動する。




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