05


またまた酷いのあります










殺風景なホテルの一室に淫らな水音が響く。僕は男に入れられたまま跨がってる。詳しく言えば、腿を押さえつけられて跨がされている。

「ほら、もっと動いて…」

「…ぅ…ひっ…」


もちろん気持ちは通じてない。

「……はあっ…いいよっ…さぁ、士郎ちゃんもっ」

「ぁあ!?…はっ…やめっ…ひぁああ!」

男がいきなり腰を突き上げ始め、弱点を攻められて思わず感じて、生理的な涙が溢れる。
ぐっと背を仰け反らせて達すると、僕の中でも熱が弾けた。

「はぁー、…はぁー、」

室内に僕の呼吸音が木霊する。

ぺたん。と前に倒れそうになるのを別の男が脇を掴んで持ち上げ、自らのあぐらをかいた足の上に僕を乗せる。
抜かれる感覚にもピクリと身体が反応してしまう。もう疲れて指一本動かせず、されるがままになってしまうのが悔しい。


「ねぇ士郎ちゃん。」

背を預けるようにぐったりすると、男がぺらっ。と一枚の写真を目の前に翳して来た。

遠退いていた意識がハッと覚醒する。

だってそこには僕を運ぶ豪炎寺くんの姿が…

どうして!?


「この男、よく士郎ちゃんの事見てるよー。」

たぶん今日倒れた時のものだ。今までこんなに近くで、しかも本練習で撮られたことなかったのに…

「ひとりでいてね。って言ったじゃん。寂しいなぁー、妬いちゃうよ」

冷たい声…

「!っあ゛ぅ…い、…いた…い…。」

肩に手を置かれ、傷口をガーゼの上からグリグリと指で刺激され、痛みで預けていた身体がビクンッと跳ねる。

せっかく、塞がってきたのに…!
刺激してくる手を退かそうとするけど全然動かない、どころか更に爪を立てられる。

「士郎ちゃんの事好きなのかなー…?士郎ちゃんは俺達の物なのにさぁ。」

痛みで、言っている意味を良く理解出来ない。
豪炎寺くんが僕の事好き?
そんなわけないよ。

「い゛ぁ…はっ…やめ、て…。」

傷口が開いて溢れた血をガーゼで受け止めきれなくなったのか、背中に液体が伝い落ちる感覚がする。

「この前撮った写真、コイツに見せたらどんな顔するかな。あぁ!"日本代表の裏の顔"って編集社に送っちゃおうか」

ひゃははは、と男たちの高笑いが響く。

それだけは止めてっ
そんなことしたら僕だけじゃなく、他のひと、豪炎寺くんやキャプテン達にまで迷惑をかけることになる…
最悪日本の国評を下げることにも…!

「士郎ちゃん、ちゃんと約束守ってくれる…?」

痛みに耐えながらうんうんと顔を縦に振ると男たちが満足そうな笑みを浮かべ、肩から手が離れる。

「ぅ、はぁ…はー…」

これからまだ試合がたくさん控えているのに
僕のせいで、僕の失態で皆を困らせるわけには…

「よかった。じゃあちゃんと分かってくれるように、今回のお仕置き。なぁ、それちょっと貸せ」

「……?」

男が、さっき僕に入れていた男に声をかける。背後にいて何をしているか見えない
男が何かを渡した。その瞬間背中に焼けるような痛みが走って悲鳴をあげる。

意識が無くなる前に思い浮かんだのは、豪炎寺くんだった。

こんなことして
また、君を怒らせちゃうね…


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