02
体育館では文化部の人達が走る準備をしていた。
今まで走っていた運動部はクールダウンするために壁にそって歩いたり、柔軟していたり、でも豪炎寺くんの姿は見当たらない…。
別に探していた訳じゃないけどっ//
僕も少しクールダウンしようと壁に沿って歩いていたら、体育用具室の扉が開いて中に引っ張られた。
一瞬の出来事過ぎて声も出ない。
そのままぐいぐい引っ張られて、跳び箱の後ろのマットにドサッと倒された。
「……った。」
普通のマットの下には高跳び用マットが重なっていて思ったよりはふかふかしてたけど倒れた衝撃で背中が痛い。
しかもその人は僕に覆い被さってきた。
もー、なんなんだよ。
誰か確かめようと顔を上げたら…
「…豪炎寺くん!?」
暗さのせいで全然分からなかった。
僕の顔の横に肘をついて、顔をグッと近づけられた。
「お前なにすねてんだ。」
う//
図星を言われて顔を背ける。
「……別に。」
「嘘だな。あからさまに避けて、そんなに悔しかったか?」
ッフと余裕そうに笑う。
その仕草にカチンときた。
「ああそうだよ!悔しかったよ。」
思わず声が大きくなる。
「……だって、…僕だってがんばったのに…。」
言葉が濁る僕のおでこに豪炎寺くんが優しくキスする。
「負けず嫌いなのは相変わらずだな。」
そして顔が離れていき上半身を起こしたなって思ったら、僕の体操着を捲ってきた。
「!…なにするんだよ。」
慌てて豪炎寺くんの腕を掴むけどびくともしない。
そのままグイッと首元まで捲られて鎖骨にチュッと音をたてて吸い付かれる。
「はうっ…んっ……ねぇ、ちょっと…やめてよ。」
引き剥がそうと髪を掴もうとしたら、逆に腕を顔の脇に押さえつけられた。
舌が下がっていき胸のしるしに這わされる。
れろ…ぴちゃ…チュク……
「っ…んあっ……ねぇ、っぁ…やめ…て」
自然と息が上がってくる。
これはマズイ。流されちゃダメだ。頑張れ自分!ここは体育用具室だよ!?
「はぁ…ご…えんじ…く」
声が震えないよう必死に言葉を紡ぐ
そしたら案外あっさり止めてくれたんだ。良かったーって思う反面ちょっと物足りない気持ちもほんのちょっとあった。
まぁ今授業中だから!
ふーっと、捲られた体操着をおろし安堵した。
でも次に彼の口から出た言葉に絶句する。
「吹雪、さっきの賭けの命令だ。俺を誘ってみろ。」
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