ふさふさ




お題「髪を撫でる。」




染岡の場合。



練習中、ふと吹雪の頭に目がいった。


………ふさふさの髪。


「ふぶきー。」


何となく呼んでみた。
トコトコ近づいてくる。犬みてーだ。


「なーに?」


頭をかしげると髪もフワッと揺れる


……。


わしゃわしゃわしゃ


「わぁあ//なに!?」


いきなり頭を乱されて驚く吹雪
はてなマークがたくさん見える。

「なんつーか、お前の髪ふさふさだなって。」


「…へ?」


あぁ。自分でも何言ってんのかわかんねぇけど、無性に吹雪に構いたくなっただけだ。


「染岡くんっ」


「ん?」

今度は吹雪から呼ばれた。

「ちょっとしゃがんで。」

「……あ?」

「いいから。いいから。」

よくわかんねーけど…
とりあえずしゃがんだ。


「僕からも」

なでなで。



…………………は?


「染岡くんの髪はチリチリだね。きもちーよー。」


なんでお前が俺の頭撫でてんだよ。
あー、
俺がお前の髪さわったからか


「ふふふ///」


なんだろーな。
コイツからだと、撫でられるのも悪くねぇって思う。俺も色々終わってきたな。


……にしても、手ちいせぇ。



染岡はまだその恋を知らない。







豪炎寺の場合。



吹雪は一緒寝るときに、必ずギューッとくっついてくる。
それが愛らしい。

っていうかスゴく可愛くないか?


そうすると俺は吹雪を抱きしめるように腕を回し髪を撫でるんだ。
その時の吹雪のハニカんだ笑顔はまさに天使だと思う。そしてその笑顔は俺しか知らなくていい


しばらく撫でていると、すやすやと寝息が聞こえてくる。

無防備なあどけない寝顔を見ると自然と心が安らぐ。
この時間が一番好きだ。
全てがいとおしく感じる。


負けず嫌いで泣き虫な、最高に可愛い俺の小さい恋人。


寝息を子守唄に、俺も眠りにつく。



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