▼ ふさふさ
お題「髪を撫でる。」
染岡の場合。
練習中、ふと吹雪の頭に目がいった。
………ふさふさの髪。
「ふぶきー。」
何となく呼んでみた。
トコトコ近づいてくる。犬みてーだ。
「なーに?」
頭をかしげると髪もフワッと揺れる
……。
わしゃわしゃわしゃ
「わぁあ//なに!?」
いきなり頭を乱されて驚く吹雪
はてなマークがたくさん見える。
「なんつーか、お前の髪ふさふさだなって。」
「…へ?」
あぁ。自分でも何言ってんのかわかんねぇけど、無性に吹雪に構いたくなっただけだ。
「染岡くんっ」
「ん?」
今度は吹雪から呼ばれた。
「ちょっとしゃがんで。」
「……あ?」
「いいから。いいから。」
よくわかんねーけど…
とりあえずしゃがんだ。
「僕からも」
なでなで。
…………………は?
「染岡くんの髪はチリチリだね。きもちーよー。」
なんでお前が俺の頭撫でてんだよ。
あー、
俺がお前の髪さわったからか
「ふふふ///」
なんだろーな。
コイツからだと、撫でられるのも悪くねぇって思う。俺も色々終わってきたな。
……にしても、手ちいせぇ。
染岡はまだその恋を知らない。
豪炎寺の場合。
吹雪は一緒寝るときに、必ずギューッとくっついてくる。
それが愛らしい。
っていうかスゴく可愛くないか?
そうすると俺は吹雪を抱きしめるように腕を回し髪を撫でるんだ。
その時の吹雪のハニカんだ笑顔はまさに天使だと思う。そしてその笑顔は俺しか知らなくていい
しばらく撫でていると、すやすやと寝息が聞こえてくる。
無防備なあどけない寝顔を見ると自然と心が安らぐ。
この時間が一番好きだ。
全てがいとおしく感じる。
負けず嫌いで泣き虫な、最高に可愛い俺の小さい恋人。
寝息を子守唄に、俺も眠りにつく。
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