愛にレベルは関係ないっ





「待って、豪炎寺くん!」

遠くなる背中を追いついた。けど豪炎寺くんは振り向いてくれなくて、ただ前を見て歩いている。

「ねぇ、豪炎寺くんってば。」
「悪い吹雪、これから自主練するんだ。」
「ならボクも…」
「いや。ひとりでしたい。」
「………。」

強い口調で言われて何も返せなくなる。豪炎寺くんが行っちゃうから思わず追いかけてきたけど、正直なんて言葉をかけたらいいのか分からない。豪炎寺くんは何を焦ってるの…?

「どうして最近会いに来てくれなかったの?」
「吹雪も練習で疲れてるだろうと思って。俺に構ってたら余計疲れるだろ。」
「そんなこと……ねぇ、遅くまで練習してるんだろ。ちゃんと寝ないと「分かってる!」
「!?」
「っ!……わるい。」
「…ううん。身体、気をつけてね。」
「……ああ。」

ボクはそこで立ち止まったけど、豪炎寺くんはそのままどこかへ行ってしまった。ボク、間違ったかな。本当は何て声をかければよかったんだろう…。

答えなんてないのかもしれない。いまの豪炎寺くんにはきっと何を言ったって意味なくて、自分の決めた到達点まで全力でやるだろう。だけど、そんな君だから心配なんだ。
いまの君はサッカーを楽しんでいるかい?


しばらくその場で背中を見送った後、ボクはグラウンドに戻ってシュート練習をしてからギャラクシーノーツ号に帰った。いちおう豪炎寺くんの部屋を訪ねてみたけど、やっぱりいなかった。



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