ソウルがほしい




「ボクもソウルがほしいです!」

吹雪が監督にソウルの覚醒書をねだる姿はサザナーラ戦が終わった後からずっとだ。ただ言ったって聞き入れてもらえないのを学習している吹雪は、試合で活躍するのはもちろん、監督の飲み物を用意したり監督の部屋を掃除したり。とにかく頑張って尽くした。

監督もさすがに考え始めたのか、ある日試合後のベンチに吹雪を呼び出した。

「吹雪、そんなに私の世話をしたところで変わらないぞ。」
「…どうしたら覚醒書をもらえますか?」
「お前にソウルは必要ない。」
「そんな。」

期待を切り裂く言葉に吹雪は俯くしかなかった。それだけ言うと監督は吹雪に背を向けて歩き出した。

だが、

「…そうだな。レベル90以上の実力があれば考えてやろう。」
「!…本当ですか!?」

監督は振り返らず、歩きながら吹雪に言った。

「ほしい覚醒書は?」
「ギンロウです!」
「あいつは林属性だぞ。」
「ギンロウがいいんです。」
「………変わったやつだ。」
「あ、ありがとうございます。」
「まだやるとは言っていない。」
「はい!がんばります!」


吹雪は監督の背中に目一杯叫んだ。




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