井吹×吹雪で井吹




最近井吹の練習に吹雪が付き合っているのをよく見かける。井吹は神童を見返すために、強力なシュートを打つ練習相手がどうしても必要らしい。

その気持ちはわかる。俺だって円堂に何十回と付き合わされているし、俺自身にも良い練習になっている。

しかし。だからこそ、いまとてつもなくもどかしい感情が俺の中に渦巻いている。

「井吹くん、バスケやってるから反射神経は良いね!」
「だろ?おかけでコースには入れるようになってきたんだよな。…あとは踏ん張りだな。」
「じゃあ次、シュートのスピード早くしてみるよ!」
「おう!こいや!」

井吹は誰にでも友好的、とまではいかないが表裏がなく直球で絡みやすい。バスケをやってるおかげでスポーツマンシップもしっかり持っている。キーパーとしての才能もあると俺は確信している。いまはまだまだだがな。

反抗からとはいえ、他のメンバーがサボった時も剣城に頼んで練習していたと聞いている。

そう。良いやつなんだ。

「井吹くんの腕の筋肉すごーい!」
「鍛えたからな。ほら、触ってみろよ。」
「うわっ硬い…わぁっ!、わーい」
「はっはっは、すげーだろ。」

井吹の二の腕に捕まって持ち上げられて、楽しそうな吹雪。可愛い、が…すこし辛い。

「……さん…豪炎寺さん!」
「!?」
「大丈夫ですか?ぼーっとして。」
「あぁ、悪い。」

俺としたことが…。たったこれだけの事で集中力が切れるなんて。吹雪はもう俺の恋人じゃないか。他のやつをうらやむことはない。吹雪は俺を選んだんだ。

だけど…

「どうかしたんですか?」
「…なぁ、剣城。筋肉…好きか?」
「……はい?」

やっぱり俺は少しでも吹雪に好かれる存在でありたい。




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