豪吹ぎゃらくしー




※大人の豪炎寺はスカウトできる方じゃなく、会長のほうです。豪吹ちゃんがアースイレブンに選ばれたという設定でいろいろ捏造。




晴れて俺はアースイレブンに選ばれた。今夜はこの選出者専用のホテルに泊まり、明日宇宙に翔ぶらしい。さっき鬼道から吹雪も選ばれたと聞かされてこうしてホテル内を探していると。

「豪炎寺くんっ」

通路の向こうから可愛らしい声と足音が近づいてくる。

「吹雪!」
「豪炎寺くん!君もアースイレブンに選ばれたんだね!また一緒にプレー出来るなんて嬉しいよっ。」

がばっと俺に抱きついて興奮を押さえきれないと言うように頭を胸に擦りつけてくる。

「俺も嬉しい。」

吹雪の背中に腕を回し、しっかりと抱き締めた。
そうだ。吹雪とまた同じフィールドで戦える………!

「ふふ。…しばらくこうしてたいなぁ。」
「あぁ、もう離さない。」

ぎゅーっと腕に力を込め、完全に吹雪を俺のテリトリーに入れる。

「豪炎寺くん、キスして?」
「ん。」

見上げてくる吹雪にキスをする。額や耳や頬にも。くすぐったそうに目を細めて微笑む表情がまた愛しい。

瞼をかすめ、また唇を重ねると吹雪の方から舌でノックしてきた。

俺はそれを口内へ誘導し舌だけを食むとぴくりと吹雪の肩が揺れた。

「…ふぁっ…クチュ…ん…」
「……しろ…」

お互い貪るように唇を合わせ舌を絡ませた。唇が離れると糸が引いき、吹雪の火照った瞳と目が合う。中学生の俺達にとって、ろくに会うことも出来ない距離を越えて、これからはまた側にいることができる。こんなにも吹雪が近くにいる。

「ねぇ豪炎寺くん。…ぼくもう…」
「ああ。」

我慢出来ないと言うように照れながら俺のジャージの裾を引っ張ってくる仕草に内心にやけながら、吹雪の手を引いて部屋まで案内しようとした時…。

「吹雪!」
「!?」

向かう方とは逆の方向から声がして振り向くと、いま一番会いたくない人物がいた。

「…あ。豪炎寺さん。」
「吹雪、探したぞ。」

ムッと表情が曇っていくのが自分でもわかる。
この大人は俺らしい。聞けば俺や円堂や他のメンバーのところへは大人の鬼道と円堂が手分けして迎えに行ったそうだが吹雪だけはこの俺が行ったらしい。こいつも俺だからその心境は分からなくもない。
が、なんだか気に入らない。

いきなりで驚いたのか吹雪はとっさに手を離しまた俺のジャージの裾を握っていた。

「話したいことがある。部屋に来てくれ。」
「え、あの…えっと……。」

すぐに吹雪と俺との間に割り込み言った。

「悪いが今日は先約がある。それと、吹雪にあまり近づかないで頂きたい。」

この人が俺自身だろうが目の前にいる吹雪はこの俺のだ。

「いくぞ、吹雪。」

もう一度手を引くと。「あ、うん。」とおどおどしながらも歩き始める。するとその行動を見ていた大人の俺は独特な笑みを浮かべ。

「そうか、じゃあ明日にでも出直そう。」
「は、何言って……!?」

イライラしてきた俺ははっきり言ってやろうと大人の俺の方を向いた時、吹雪が空いていた方の手をひかれ大人の俺にキスをされた。

「…んっ…クチュ…んん…ぷはっ」
「おい!」

驚いた吹雪がトンと相手の肩を押すとすぐに離れたが、至近距離で恋人の唇が奪われたのを見せられては俺の心が許すはずない。

「あの…豪炎寺さ…」
「おやすみ。」
「え。ぁ、はい、おやすみなさ…」
「ちっ……いくぞ!」

素行が悪いと分かっていながらも舌打ちをし乱暴に吹雪の腕を掴んで歩き出した。

どうやらこれからの旅は甘いだけじゃないようだ。吹雪にもきっちり教えないとだな。
そんな俺の気迫とは反対に、吹雪は後ろで穏やかな表情をしていた。たっく、人の気もしらないで。

「うふふ…豪炎寺くん妬いてるの?」
「うるさい。」
「大人の豪炎寺くんもかっこいいね。」

吹雪は警戒心が無さすぎる。大人になっても俺は俺だろう。だからこれだけは分かる。あいつは絶対に吹雪に手を出したいはずなんだ。

「これから大人の俺には近づくな。それと"豪炎寺さん"って呼ぶな。」
「えー、だってどっちも豪炎寺くんになっちゃうよ。」
「"会長"とでも呼んでやれ。」
「めんどくさいよぉ。…あ、じゃあ豪炎寺くんの事を修也くんって呼ぶ。それでいい?」
「………。」
「ねぇいいの?」
「…………。」
「ふふ、じゃあそうするね。」

返事が無いときは承諾という事を吹雪は知っている。

「修也くん。おーい。」

………ほんと、吹雪には敵わないな。
だが惑わされないぞ…

「吹雪。今日はお仕置きだからな。」
「えぇぇ!?」

チームにはあの雪村とか言う後輩もいるようだし、まずは吹雪は俺のものだと奴らに知らしめてやらないとだな。




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