first love



昨日から、僕は豪炎寺くんと付き合うことになった。
先に告白をしたのは豪炎寺くんからだったけど、実は僕も好きだったから本当に嬉しかった。今でも夢なんじゃないかって思ってる。
何をしても落ち着かなくて、かといって豪炎寺くんと会ったら僕熱くなりすぎて溶けちゃうかもしれない。

そんな状態で、僕は今豪炎寺くんにメールしようか迷ってる。
電話はダメ!
だって沈黙になったら気まずいし…


か、会話が見つからない…

豪炎寺くんは僕のどこを見て好きになってくれたんだろう。

逆に僕は豪炎寺くんのどこが好きなんだろう。

豪炎寺くんは、カッコいいし優しいし真面目だし
何より本当の自分と向き合う勇気をくれた。僕と心から一対一で話してくれた。

でもそういう具体的な事じゃなくてさ
いつからっていうのはよく分からないけど、気がついたら好きだった。
そう、きっと理由なんてないんだ。僕は豪炎寺くんが好き。


…――Pirooo! Pirooo!

わあっ!?

電話だ。
誰だろう…。
知らない番号だ。

出た方がいいのかな?でもイタズラって可能性も…。でももしかしたら何か緊急の用事で…

とりあえず思いきって出てみると…

「もしもし、吹雪か?」


ごごごごご豪炎寺くん!?

「……う、うん。」

ひゃー
僕もうだめだ。

「いまから円堂たちとサッカーするんだが、吹雪も来ないか?」

な、なんだぁ。サッカーの事かぁ
びっくりした。

「それと…。」

「なぁに?」

すると少し間があって

「……………終わった後、二人で出掛けないか?」


って、

えー!?
これは予想してなかった//

もちろん行きたい!けどちょっと怖い。
サッカーをしているときは何も感じないけど、二人きりってなると緊張するっていうか恥ずかしいって言うか
ドキドキして何も言えなくなっちゃうんだよね。

でも、あの寡黙な豪炎寺くんからのお誘い…

きっと豪炎寺くんだって勇気を出して聞いてくれたんだ。だったら僕も…

「いいよ。…ぼ、僕も豪炎寺くんと一緒にどこか出かけたかったんだ。」

わぁー//
言っちゃった。

「よかった。じゃあ河川敷で待ってるから!」

そう言った豪炎寺くんの声はホッとしたような感じで、僕の勘は当たってたんだと思う。

ふぅ、と息をついて出かける支度をする。


きっとまだお互い手探りで、不恰好な愛の形をしているけど
この先どんな壁があっても二人で乗り越えて行きたいな。

なんて//
僕たちにはまだ早いかな

今日のだってまだノープラン
行き当たりばったりの道を二人でゆっくり歩いていくんだ。

初めて恋したのが豪炎寺くんで
彼が僕を選んでくれて本当に幸せだよ。

僕も彼を幸せにできますように。

今はただ、それを思うので精一杯!

「アツヤ、行ってくるね。」

玄関に飾ってある写真に声をかけて、僕は河川敷まで走り出した。
彼と、出会えた最高の仲間に会いに。




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