ずっと側に おまけ(後日談)



朝目が覚めると、いつの間にか俺の胸の辺りを掴んで眠る吹雪がいた。

髪を撫でてやると「んー」と擦り寄ってくる。


……か、可愛い//

ここぞとばかりに頬を触ってみると、スベスベでモチモチで、ふにゅっと摘める感じが何とも言えない…。


「ん、……あれ、豪炎寺くん?」

しばらくするとうっすら瞳が開き、トロンとした瞳で俺を見上げてくる。

思えばこの状況やばくないか。
吹雪が起きる前に抜け出そうと思っていたのに…。夢遊病で…なんて理由にならないだろう。


ひとりアセアセしていると
まだ寝ぼけているのか

「ふふ//あったかいねー…」

と抱きついてきた。うん、グッと来た。

しかもその上

「豪炎寺くんの匂いがするー…」

って、襲われたいのか。

たぶん無自覚だろ。
分かってはいるんだが、健康な思春期男子には辛いものがある。


そしてもし俺以外のやつにもこうするのかとやきもきした感情が芽生えた。



…………俺は、どうすればいいんだ。


「…すぅ……ごーえん…じ…くん……。」



………とりあえず、寝るか。
今日くらい遅刻して円堂達にガヤガヤ言われたっていいじゃないか。

今の俺の鼓動を通して、吹雪にもこの気持ちが伝わったらいいのに……。




そして俺は吹雪を起こしに来た円堂や鬼道に見つかり、白い目でみられた。
が、夢遊病のフリをして吹雪の部屋に潜り込むのが日課となった。

まぁ吹雪は気がついていないが、それのおかげなのか吹雪がうなされる夜は来なくなった。

誰も知らないが、俺だけがそれを知っている。

それでいいじゃないか

それだけでも俺は吹雪を思い続けられる気がしている。




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