会いたい。



※豪→→(←)吹



吹雪に会いたい。

韓国との試合で、吹雪は足を怪我し離脱を余儀なくされた。周りのやつには笑って「早く戻ってくるよ」とか言ってたが、そんな簡単な事じゃないくらい本人だって分かっていた。


「やだよぉ!僕、またひとりになっちゃう…、、」

最後に二人で過ごした時、アイツは本当の気持ちを俺にぶつけてくれた。建て前強がっていても、泣き虫で寂しがり屋なんだ。
そのせいか、こぼれた言葉はひどく切なかった。

「ひとりじゃない。」

吹雪の目をとらえる。

"お前には俺がいるだろう。"
喉まで出かかった言葉を呑み込む。まさかそんな事は言えなかった。

吹雪は染岡が好きなんだ。
前に二人でラーメン食べに行ったときだって、バーベキューの時だって、染岡くん染岡くんって……。


「うん。そうだね………ありがとう。」

涙が溜まって濡れた瞳を伏せる。その表情にすごくそそられる。

「僕、頑張るよっ」

作り物じゃない。本物の笑顔だった。
この声も、表情も、心も全て俺のものに出来たら良いのに。

「あっちで待ってるから。」

これが俺の精一杯の強がりだ。炎と雪。性格も真逆に見えて実はお互い似た者同士なのかもな。

胸が締め付けられて痛い。
好きなヤツを見るとドキドキしたり、とか不思議な感情が沸き上がるもんだが今の俺には少し辛い。

実際離れてみて、どれだけアイツの存在が大きかったのかを思い知らされた。
吹雪に会いたい。たとえ俺の事を見ていなくても、確かなものを探していた。

……早く戻ってこい。

想われているかどうかでは負けても、吹雪を想っているのは誰よりも俺が一番だと自信がある。

もう一度同じフィールドで、同じ気持ちでボールを蹴りたい。

吹雪。
気がついた時はどうしようもなく好きだった。





空港のロビーからキャプテン達を乗せた飛行機を見送る。

…………豪炎寺くん。

「すぐ行くよ。君の隣に…。」


君は僕の気持ちに気づいているのかな。
復帰したら、まず一番に会いに行きたい。そして伝えたいな…

それまで負けちゃダメだからね。
待ってるって、言ってくれたんだから……


早く、君に会いたいよ。




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