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 修也くんと士郎くん2


倒れた男たちの中に佇む人は僕をチラッと見るとッフと鼻を鳴らして立ち去って行く。

「あ、あの!待ってっ、君も一年生?」

急いで倒れている男からカバンを取り上げて後を追いかける。

「待って。ねぇ、名前は?」
「……。」

やっと追い付いて横に並ぶ。
この人、助けてくれたんだよね…?

「ねぇってば。」
「………。」

話しかけてるのに完全無視。もしかして機嫌悪い…?すごく強かったけど。そう言えばさっきも嫌な物見たとか言ってたし、、

「……喧嘩、嫌いなんだ。」

ボソッと呟いただけだったけど

「…!」

あ、ちょっと反応してくれた。

「…嫌いじゃない。」
「え?」
「喧嘩は嫌いじゃない。嫌なだけだ。」

それって嫌いって事なんじゃ…。

「……なんで僕のこと「気まぐれだ。」

え゛
僕そんなんで助けられちゃったの?
はぁ、何か気抜けちゃった。

「……ぇんじだ。」

「?」

ため息ついてたら不意に話しかけてきた。

「豪炎寺だ。」
「…………え?…あいたっ!」
「名前!豪炎寺修也だ!」

立ち止まってポカッと頭を叩かれた。あ、名前ね!あはは、すっかりわすれてた。

「よろしくね。僕は吹雪士郎。」
「吹雪、か…。」

あれ、なんか変なこと言ったかな。豪炎寺くんは急に静かになった。しかも心なしか顔がさっきよりも赤いような…

「どうかしたのかい?」
「……………………あの、さ」
「ん?」

明らかにさっきより様子がおかしい。

「あ、好きな人と名字がおんなじだったとか!?」
「違う!」
「いたっ!もー、手が早いなぁ。」

カッコいいとか思ったの誰だよ。ただの暴力男じゃないかぁ

「………………名前。」
「………え?」
「名前、教えたし…お前、不良じゃないし…並んで歩いてるってお前」

え、何かまずかったかな
思えば気まぐれに助けたとはいえ知らない人に追いかけられて隣にいられたら迷惑だよね!?
そう言えばお礼言ってないし……

「あの、ごめ「友達だよな!」
「へ!?」

とも、だち…?

「俺、まだ友達いないんだ。」
「そ、そうなんだ。」
「だからお前が友達1号だ。…よろしくな、吹雪」

「…う、うん/////」

その笑顔は反則だと思う。

こうして入学1日目。
僕には豪炎寺くんって不良の友達ができた。

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