豪吹


あのCM台詞を吹雪が言うと!



イナズマジャパン優勝の宴会が開かれた。円堂や綱海がバカ騒ぎする中、飲み物を持った吹雪がトコトコと豪炎寺に近づいた。

「豪炎寺くんっ」
「ん?」

祝いの席ということで用意されたタキシードに似合わない幼い笑顔に豪炎寺は顔を綻ばせる。

「これね、スッゴい美味しいんだよ。」

豪炎寺は吹雪の手にある飲み物を見る。

「ただのリンゴジュースだろ。」
「ううん。違うよ!なんかね、ピリピリするんだ。」

まさか炭酸飲料を飲んだことないのか、と豪炎寺は目を開くが吹雪はさも周りも自分と同じだと思っているようでキラキラと目を輝かせながらコップを差し出した。

「飲んでみてよ!」
「いや、俺は…」
「美味しいんだよ?」
「それは」
「ね、間接キスしてみて。」
「っ!?//」

最後の言葉にビクッと身体が跳ねた豪炎寺だが、そこまで言うのならと吹雪と顔を近づけ…。

「どうし…ふにゅっ……んんっ//」

豪炎寺は吹雪の唇を奪うと、隙間から舌を差し込み口内をかき回し堪能した。

「…っぁ…クチュ…//」
「……はっ…」

気を許していた吹雪はいきなりの事で抵抗が遅れてしまい、思うように舌を追い出せない。どころか舌が合わさる毎に熱り電気が走るような快楽に襲われている。

「…ん……ぁ…ふぁっ」
「はぁ、」

飲ませたい一心で言った台詞だったが吹雪は後悔していた。さすがに苦しくなって、空いている手で豪炎寺の胸を叩くと糸を引いて唇が解放された。

「…はぁ//…も、もう…いきなり何するんだよ。」
「キスしてみて。って言っただろ?」
「間接、キスだよ!」
「そうか。聞き間違えた。」
「はあ?」

口調の割りに不機嫌ではない吹雪の頭を豪炎寺はくしゃくしゃと撫でた。

「さ、触らないでよっ」
「ごめんごめん。」
「もう!」

お互いが本当に相手しか見えていないのか、周りが先ほどの出来事に仰天して静まりかえっているのにも二人は気づいていない。







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