近況報告
「そういえば、僕まだツネカズに会ってないんだけどグリーンは会った?」
バトルの後、いつも通り一人でぺらぺら喋って勝手に去っていこうとするグリーンを引き留めてそう聞いてみた。
グリーンは「あー、あいつなぁ」と言いながらぽりぽりと頬をかいて、僕の方を向き直した。
「研究所で俺とツネカズでヒトカゲ取り合ってただろ?」
「うん、結局グリーンが無理矢理奪ったみたいだけど」
「人聞き悪いこと言うなよな! 俺はちゃんとジャンケンで勝って正規の方法で手に入れたんだ!」
確かに正規っちゃ正規だけど、双子だろうが一応兄なら弟に譲れよ。
というツッコミは心の中にしまっておいた。これ以上話が長くなるのも面倒だし。
「そういえば届け物渡しに研究所戻った時もまだごねてたっけ」
「つーか今もまだごねてるらしい」
「……は?」
「昨日ポケセンから電話したら、あれから研究所から一歩も動いてないって姉ちゃんが言ってた」
「…………」
デパートでおもちゃを買って貰えなくて床に寝転がってる子供の図が脳内で浮かんだ。
「そこまで来たらヒトカゲ譲ってやれよ」
「やだよもう俺のだもん」
なんで僕の周りにはろくなやつがいないんだろう……。
僕だけでも常識を持った人間になろう、そう深く思った日でした。
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