「待って、蓮二!蓮二!」





私が叫ぶと、蓮二は足を止め、ゆっくりこちらを向いた。





「……何だ。」

「あのね、言っておきたい事があるの。さっき真田とも話してたんだけどね、私は…」





ぐっと彼に詰め寄ると、言葉を遮られた。





「弦一郎が好き…か?」





え…?
何を言っているの、私が真田を…好き?





「先程の会話を聞いた。まさか、自分の彼女が他の男に告白するところを目撃するなんてな。」

「え……あ、あれは…!」

「聞きたくない。理解するにはあの会話で十分だ。」

「違うの、聞いて…!」

「何が違うんだ。……俺はお前が分からない。」





私が言いたかったのはそんなことじゃない…。
どうして聞いてくれないの…。
そう思うと、自然に涙が零れそうになった。
堪えようとして、喉が熱くなる。





「蓮…二…!違う…の……。あれ…は、蓮二の…こ、とを……」

「俺の…?」

「好きって…言うのは…蓮二の……事なのっ!」





驚いている彼を見て、少し笑えた。
ぷ、と笑うと
『泣くか笑うかどちらかにしろ』
と頭を撫でられた。
私は顔を上げ、彼の顔を見た。





「さっきの、続き…言わせて?」





言うと蓮二は静かに頷いた。





「私は、やっぱり蓮二の事が好き。大好き…!」

「……。」

「あと、ごめんなさい。私、蓮二の誘いを断った理由が─…」





理由と私の気持ちを少し折り込みながら、彼に話した。
なんて言われるのか全く検討がつかなかったが、私が引きずってしまいそうだったから意を決した。
だが、彼の口から聞こえたのは全く違う言葉…──。





「お前に避けられていると思ったら、原因はそれか。言えば良いだろう。」

「え…?」





避けられてる…って……
私の方が避けられているのかと思っていた。
彼は大きいため息をついて怒ったような表情を浮かべた。





「俺達はなんだ?友達か何かか?……恋人、だろう?」

「…蓮二……!」





いつもだったら言わないような事を言ってくれて嬉しかった。
その一言で、私の約二週間近い悩みは吹っ飛んだのだから。





そうか、やっぱり…
同じ気持ちだったんだ…。



私は目尻に溜まった涙を拭き、彼に抱き着いた。





「…大好き…。もう絶対に大好きだからね!」





彼はクスと笑い、私を優しく抱きしめた。







曖昧すぎて壊れやすくて
(気持ちを上手く表せない不器用たち)




***********
ちずみ様リクエストでした!
遅れてしまって申し訳ありません;;
そして、無駄にページ変えてすみません;;

久々の切甘で上手く書けているかは自信はないのですが…←
こんなのでよかったでしょうか…?
もし、リクエストと違うということでしたら、BBS等に書き込みしてください。
すみません;;

リクエスト、ありがとうございました!


お題@確かに恋だった



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