ホグワーツ入学前にやるべきことがある。それは学校に必要な教科書、鍋、また制服などの用意だ。その為にはこの屋敷を出る必要がある。
「なまえ様お迎えに上がりました。」
やはり父は私と共に外出はしてくれないようだ。それに母のベラトリックスもあまり人混みが好きじゃないからと言ってマルフォイ家に丸投げする始末。目の前に佇む銀色の美しい髪を持った青年は私に跪き手の甲にキスを落とす。敬愛、尊敬そんな意味が含まれていると聞いたことがある。・・そんな気持ち微塵も無いくせに。
「ルシウス・・いちいち私に畏まらなくていいわ。」
「いえ、そんなわけにはいけません。」
「堅苦しいって言ってるのが解らないの?」
「・・ですが。」
「もぅいいわ。行きましょ。」
マルフォイ家の高級車に乗り込む。確かナルシッサ叔母様と婚約関係にある目の前の男は近い未来私の親戚になるのではだろうか。それまでには是非敬語を辞めていただきたい。
「そういえば、なまえ様。ブラックのご子息とご婚約されたとか。」
「そうね。何時だったかしら、まぁ、半年ぐらい前にそういう関係になったわ。」
「とても喜ばしい事ですが、個人的にはとても残念です。」
「・・・なにが言いたいの?」
「貴女には私のような者が適任かと。」
「・・・貴方と婚約なんて絶対嫌よ。それに貴女にはナルシッサ叔母様がいらっしゃるじゃない。」
「婚約者が変わるなんてこと、純血家系には稀によくある話しです。それに、レギュラス・ブラックは次男だ。」
「・・・その話は生憎聞き飽きたの。よしてくれない?」
冗談じゃない。父に取り入りたいからって何故私が協力しなくちゃいけ
ないのだ。レギュラスの事だって正直な所、婚約者という意味ではちゃんと見ていない。あの時、私のせいで彼が父にお仕置きされるのは目に見えていた。それが嫌だったから婚約するなんて言っただけで、実際のところ父の言っていた通りまだ私には速いのだ。
「それに私、彼みたいに可愛いらしい人が良いの。」
「・・それなら仕方ないですね。」
なんだか疲れてきた。私は目を閉じて眠る事に専念しよう。ここは山奥だ、きっと目的地に着くには時間がかかるはず。そぅ思ってたのに直ぐにルシウスの手によって起こされた。
「ここがダイアゴン横丁?」
「そうです。」
「ふーん。」
今まで両手で数えるぐらいしか人を見たことが無かった。そのため、憧れていた外の世界への感動よりも、目の前を蟻の様に群がっている人々への驚きがの方が大きかった。
「・・賑わってるのね。」
「入学式は直ぐそこですから。さぁ、行きましょう。」
私の手を引いてエスコートしてくれる彼は、さすがマルフォイ家ってこともあって注目の的になる。・・・顔だけはそこそこ良いからな。まぁ父には劣るけど・・。しばらく歩いていたら胃が急に悲鳴を上げてきた。私の手を引く男のせいなのか人々が群がり挨拶してくる。そのため必然的に私へと投げかけられる視線も多い。・・だめだ。なんだか吐き気がする。今までこんなごちゃごちゃした人混みをを味わったことが無かったからだろうか。母がマルフォイ家に丸投げした理由が今なら痛いほどわかる。
「・・・大丈夫ですか?」
「・・・。」
全て揃うまで嫌なぐらい時間が長く感じた。今までずっと胃からこみ上げてくるなにかと戦ってて、折角の外での買い物に余裕など全く無かった。耐えろ耐えろと自分に言い聞かせてきたけど、本当にそろそろ限界だ。そんな真っ青な私の顔に気づいたのか、ルシウスは誰も居ない脇道へと私の手を引いた。
「ほら、しっかりしてください。」
そんなこと言うけど私だって貴方が居る前でこんな無様な姿を晒したくない。でも、私の胃は悲鳴を上げていて、思わずかがみ込んでしまう。そんな私を見兼ねて、背中を優しくさすってくれる。・・あ、もぅ無理だ・・・。そう思うと一気に胃が収縮し始めた。
うぅう・・うぇええ・・
ぼたぼたっと汚い何かが口から出てきて、恥ずかしいとかそんなもの考えてられないぐらいに気持ち悪い。
「ごほごほ・・がほっ・・ううぅうう」
「お使い下さい。」
そう言って綺麗なハンカチが差し出される。吐いたお陰か少し楽になった代わりに恥ずかしさがやってきた。
「・・・誰も言わないで。」
「もちろんです。」
彼は杖を一振りすると私の口から出て来たものを消す。
「・・あぁ、その代わり次に行なわれる我が家主催のパーティ、是非私と共に踊って下さい。」
「・・・ぇえ、喜んでミスターマルフォイ。」
こんなに苦しんでる女性に対して脅してくるこの男はやっぱり、信用なら無いと思う。
「なまえ様お迎えに上がりました。」
やはり父は私と共に外出はしてくれないようだ。それに母のベラトリックスもあまり人混みが好きじゃないからと言ってマルフォイ家に丸投げする始末。目の前に佇む銀色の美しい髪を持った青年は私に跪き手の甲にキスを落とす。敬愛、尊敬そんな意味が含まれていると聞いたことがある。・・そんな気持ち微塵も無いくせに。
「ルシウス・・いちいち私に畏まらなくていいわ。」
「いえ、そんなわけにはいけません。」
「堅苦しいって言ってるのが解らないの?」
「・・ですが。」
「もぅいいわ。行きましょ。」
マルフォイ家の高級車に乗り込む。確かナルシッサ叔母様と婚約関係にある目の前の男は近い未来私の親戚になるのではだろうか。それまでには是非敬語を辞めていただきたい。
「そういえば、なまえ様。ブラックのご子息とご婚約されたとか。」
「そうね。何時だったかしら、まぁ、半年ぐらい前にそういう関係になったわ。」
「とても喜ばしい事ですが、個人的にはとても残念です。」
「・・・なにが言いたいの?」
「貴女には私のような者が適任かと。」
「・・・貴方と婚約なんて絶対嫌よ。それに貴女にはナルシッサ叔母様がいらっしゃるじゃない。」
「婚約者が変わるなんてこと、純血家系には稀によくある話しです。それに、レギュラス・ブラックは次男だ。」
「・・・その話は生憎聞き飽きたの。よしてくれない?」
冗談じゃない。父に取り入りたいからって何故私が協力しなくちゃいけ
ないのだ。レギュラスの事だって正直な所、婚約者という意味ではちゃんと見ていない。あの時、私のせいで彼が父にお仕置きされるのは目に見えていた。それが嫌だったから婚約するなんて言っただけで、実際のところ父の言っていた通りまだ私には速いのだ。
「それに私、彼みたいに可愛いらしい人が良いの。」
「・・それなら仕方ないですね。」
なんだか疲れてきた。私は目を閉じて眠る事に専念しよう。ここは山奥だ、きっと目的地に着くには時間がかかるはず。そぅ思ってたのに直ぐにルシウスの手によって起こされた。
「ここがダイアゴン横丁?」
「そうです。」
「ふーん。」
今まで両手で数えるぐらいしか人を見たことが無かった。そのため、憧れていた外の世界への感動よりも、目の前を蟻の様に群がっている人々への驚きがの方が大きかった。
「・・賑わってるのね。」
「入学式は直ぐそこですから。さぁ、行きましょう。」
私の手を引いてエスコートしてくれる彼は、さすがマルフォイ家ってこともあって注目の的になる。・・・顔だけはそこそこ良いからな。まぁ父には劣るけど・・。しばらく歩いていたら胃が急に悲鳴を上げてきた。私の手を引く男のせいなのか人々が群がり挨拶してくる。そのため必然的に私へと投げかけられる視線も多い。・・だめだ。なんだか吐き気がする。今までこんなごちゃごちゃした人混みをを味わったことが無かったからだろうか。母がマルフォイ家に丸投げした理由が今なら痛いほどわかる。
「・・・大丈夫ですか?」
「・・・。」
全て揃うまで嫌なぐらい時間が長く感じた。今までずっと胃からこみ上げてくるなにかと戦ってて、折角の外での買い物に余裕など全く無かった。耐えろ耐えろと自分に言い聞かせてきたけど、本当にそろそろ限界だ。そんな真っ青な私の顔に気づいたのか、ルシウスは誰も居ない脇道へと私の手を引いた。
「ほら、しっかりしてください。」
そんなこと言うけど私だって貴方が居る前でこんな無様な姿を晒したくない。でも、私の胃は悲鳴を上げていて、思わずかがみ込んでしまう。そんな私を見兼ねて、背中を優しくさすってくれる。・・あ、もぅ無理だ・・・。そう思うと一気に胃が収縮し始めた。
うぅう・・うぇええ・・
ぼたぼたっと汚い何かが口から出てきて、恥ずかしいとかそんなもの考えてられないぐらいに気持ち悪い。
「ごほごほ・・がほっ・・ううぅうう」
「お使い下さい。」
そう言って綺麗なハンカチが差し出される。吐いたお陰か少し楽になった代わりに恥ずかしさがやってきた。
「・・・誰も言わないで。」
「もちろんです。」
彼は杖を一振りすると私の口から出て来たものを消す。
「・・あぁ、その代わり次に行なわれる我が家主催のパーティ、是非私と共に踊って下さい。」
「・・・ぇえ、喜んでミスターマルフォイ。」
こんなに苦しんでる女性に対して脅してくるこの男はやっぱり、信用なら無いと思う。