3ヶ月ぶりの彼
あぁ、嫌な夢見た。孤独だったけど、ポジティブな気持ちは忘れちゃいけないと思ってたのにな。孤児院時代はつらくて堪らなかったけど、おばあちゃんやミコのおかげで大分明るい性格になったと思う。起き上がろうと寝ぼけたまま体を動かすと、誰かが私を支えてくれた。・・・うーん。なんだか、凄く身体がだるい。今までどんな怪我も病気もあっとゆう間に治ってきたからこんなの初めてで、少し吐き気もする。あぁ、やばい、こりゃ吐くな・・・


ぅおぇええ


「ちょっ!!なまえ!!!」


びたーん!っと頬に痛みが走る。なんだろうと思い目を開けるとそこには、とても嫌そうな顔をしたリドル君がいた。


「吐くならそこに置いてあるバケツに吐いてよ!僕のローブ汚さないでよね!?」


リドルの熱いビンタのおかげで吐き気が収まった私は頬をさする。地味に痛い・・・


「・・リドル・・・お腹空いたんだけど・・・」


思ったより、声が出なくて蚊の鳴くようなくような声が空気に溶けていった。


「はぁっ、一言目がそれ?君がぶっ倒れて3ヶ月は経ってるのに。」


「ん?え・・さん・かげつ・・?」


「・・・君、今自分がどこに居るか解る?」


「そりゃ、リドル君、寮の私室に・・・あれ?」


「やっと気付いた?ここは医務室だよ。君は3ヶ月前の試合から今日までずーっと寝てたんだ。」


「・・試合?」


「あぁ、それも忘れちゃった?ほら、レイブンクローと一緒にクディッチの練習試合に出たじゃないか。」


「・・・あぁ、アルファベット・・」


「いや、アルフレッドだと思うけど、僕マダム呼んでくるから大人しくしてなよ?」


「り、どる・・」


「なに?」


「・・・どっちが勝ったの?」


するとリドルは目を細くしながら微笑み”君に決まってるじゃないか”と言ってマダム・ポンフリーを呼びに行った。あぁ良かった、アルフレッドが皆に攻められなくて・・・。結構私はそうゆうのを気にするタイプだったみたいだ。・・・今度チョコレートでも奢ってもらおう。

ぎゅるるる

医務室に大きなお腹の音が響いた。チョコレートの事想像したらお腹がもっと空いちゃったみたい。でも、指一本動かすにも身体がだるい。あぁ、一生寝たっきりだったらどうしよう・・。そんな事を考えてたら、急にベットのカーテンが開いて、さっきの夢よりまた少しだけサンタさんに近づいた彼が挨拶してきた。


「なまえ、よう目覚めたの。」


「・・・あ、サンタさん。」


「久振りじゃの。まぁ、おぬしにとってはそうじゃないのかもしれんが。さて、なまえ、今話しても脳みそがうまく回らないじゃろうから、ほれ、君の好きな料理を持ってきた。リドルと仲良くお食べ。それと、おぬしが元気になったら校長室においで。特別なお菓子を用意して待っておこう。」


「・・約束だよ?」


「ふぉふぉ、3ヶ月も寝たままだったのに相変わらず食い意地だけは張っておるようじゃの。いいじゃろう、約束しよう。それまで十分休むと良い。では、またのなまえ」


それだけ言って去ってゆくサンタさん、否ダンブルドアをぽーっと眺めてたら、彼と入れ違いにリドルが帰ってきた。さっきダンブルドアが出した食べ物は今まで毎日のように見てきたのに、一段と美味しそうに見える。あ、私の好きなプディングある!そんな私の視線に気づいたリドルはプディングをとって私に差し出してきた。


「なまえ、ほら、食べなよ。お腹空いてるんだろ?」


「・・・リドル」


「なに?」


「あーんして?体が重くて、一人じゃ食べられなそうなの。」


はぁ・・・なんて、ため息を付くけど、彼はなにも言わずに私の大好物をすくって口元に運んでくれる。今日はやけに優しいな。いいことでもあったんだろうか・・。いつもの100倍お腹が空いてるのに、いつもより食べれない。あぁ、駄目だ。食べるのにも疲れる。ひたすらご飯を食べる私に、リドルはただ無言で食べ物を運んでくれた。





3ヶ月ぶりの彼は、少し背が伸びててかっこよくなっていた。

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