異常な嗅覚。
ナルシスト王子、リドルはモテると思う。隣にいる私はいつも、周りの女の子達の視線が痛くて痛くて堪らないのだ。今日も今日とて早速声を掛けられたリドルは素敵な笑顔を浮かべ、ついさっき女の子と一緒に教室を出て行ったところだ。それに比べ私はというとスリザリンの寮にあまり馴染めずにいる。多分先日のリドルモノマネ事件も関与しているんだと思う。うーん、なんだか1人は居心地が悪くて机にうつ伏せになりながら、はやく授業始まれよと念じている真っ最中だ。ああー。リドルのモテ期、少しだけ分けて欲しいな。あぁ、でもモテ期ってより、年をとってもモテてそうだから、リドルの場合、万年モテ期かー。きっと老後もそれなりにおモテになるんだろうなぁ。くそーう。そんな万年モテ期野郎は、高クオリティリドルモノマネ事件以来、よく私の隣に居るためか、元々モテていたくせに、更にモテている。そりゃもうモッテモテだ。ちなみに今もなお彼の人気は爆発的に上昇中である。あぁ。私に感謝しろよリドル。そして崇めろ。悶々と1人で考えていたらうつ伏せになって居る私にもわかるぐらい良い匂いが私の鼻を掠めた。・・あぁ、お菓子の甘い匂いだ。そういえばここ最近、女の子達から漂ってくる。クッキー、アップルパイ・・・あぁ、これはカエルチョコかな?最近嗅覚が他の人達に比べ中々に良いと気付いた。スリザリンの暗い地下室に居ても今朝の献立がわかるぐらいいだ。最初はそれが普通だと思っていたけど同じ部屋の子に今日のデザートブリュレだね!楽しみ!何て事を言ったらえっ、この子何言ってるのってな感じで気味悪がられた。だから多分他の子よりも鼻がいいのだ。こんな事自慢しても気持ち悪がられるだけで何もいい事はない。あー、お腹すいたなぁ。。そもそもなんでリドルはモテて私はモテないのか。きっと私だってモテればいろんな子からモテはやされお菓子もバンバン貰えるようになるはずだ。それに鏡を見る限りそんな飛びっきりの美人でもないがそこまでイケてないわけでもない。そもそも、白人の人達より肌は綺麗だし黒髪だっていけてる。うーん。そんな匂いの中、段々いい匂いが近づいてくる。…これはっ!出来たてのカップケーキだ!!


「・・・なまえ?お腹痛いの?」

がばっ!!!

素早く起き上がる。びくっと肩を揺らした万年モテ期野郎は思ってたより早く帰ってきたらしい。それもとても美味しそうなカップケーキを連れて!!

「急に起き上がらないでよね。この馬鹿。」

「ねぇ、リドル・・。」

リドルの言葉を無視して名前を呼んだら、私の只ならぬ雰囲気に気づいたのか真剣な顔をしてくる。聞いてくれるみたいだ。そう思った私はリドルに向かって懇願する。

「お願い!!!リドルの万年モテ期を私にわけて!!ちょいモテぐらいで良いからっ!!私もリドルみたいに女の子からいっぱいお菓子貰いたいの!!!」

「はぁ、そんなのあげられるわけないでしょ。」

「・・じゃあ、せめて貧しくて今にも飢えそうな私にそのカップケーキを一口でいいから恵んでよ・・。」

「あぁ、これね。」

彼は周りを確認してから、私の耳元に顔を近づける。

「後で僕の部屋においで。貰ったやつ全部あげるよ。」

顔を彼の方に向けると、ニヤリと笑ったリドルがいて、こんな事言えないけどあぁ、やっぱこいつ、良いのは顔だけだなと思った。






今日一日の授業も終わり、リドルの部屋にお菓子達をお迎えに行く。そりゃもう気分はるんるんだ。鼻歌交じりにスキップする。周りの人達の目線なんてあの事件以降気になんてしていない。えへへへ。

「あぁ、なまえ、はやかったね。」

「うん!待ちきれなくって!リドルの部屋のお菓子達、3階の廊下まで匂ってたんだよ?」

「え?」

あっ、しまった。リドルがなにこいつ見たいな顔をするので、"冗談だよ、冗談!"って誤魔化すことにする。そんな私にふーんとだけ言ってお菓子が山積みになっている箱をくれる。ぉお!結構あるな、えっと、いちにいさんしー・・・・

「処分しようと思ってたから、好きなだけ持って行っていいよ。」

「リドル、それ女の子達が聞いたら泣いちゃうよ?」

「知らないよ。寧ろ僕は被害者だ。彼女達の自己満足に付き合ってあげてるんだから感謝して欲しいよ。」

「ふーん。万年モテ期野郎も意外と大変なんだね。」

量があり過ぎて数を数えるのを諦めた私はチラッと彼を見ると、彼は少し嫌そうな顔をしていた。このあだ名お気に召さなかったのかなぁ。自信作だったのにな。ふと彼の手の上にあるチョコレートの箱を見る。多分私に取られないように一つだけ手に持っているんだろう。

「あぁ、そういえばなまえ。惚れ薬やら危ないものまで入っるかもしれないから、気をつけてね?」

「うん!いけるいける!私無敵だから!それに、リドルの方こそ手に持ってるチョコ、危ない香りがするよ。それ食べるならトイレで食べなよ。」

箱の中から危ない臭いがするのを直感的に取り出し残ったものを箱ごと抱えるとじゃね!とだけ言ってバタバタっと彼の部屋から出る。モテても危なそうなお菓子を貰うならやっぱり困るだけかもしれない。まぁ、このまま一番良いか。お菓子楽しみだなぁ。。えへへ。



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