黙れアバズレ。 | ナノ

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「とーしろ、今回も駄目だった…」
「またかよ。何人目だ、全く」
「みんな下手すぎ…醒めたわ」
「黙れアバズレ、」

だって仕方ないじゃない。相性が悪ければ百年の恋も醒めるってば。何を隠そう今まで付き合った男は悉く夜が下手だった。だからここ数年、取っ替え引っ替えしてる。そりゃそろそろ落ち着きたいな、とは思うけど…

「とーしろ、試す?」
「断る。ったく、屯所で盛んなアバズレ、」
「冗談よ、」

男と女とは言え上司と部下だしなんせ腐れ縁だ。それ以上でもそれ以下でもない関係性。

「たまには逆から入ってみるのもどうだ?」
「逆?」
「あぁ、気持ちじゃなくて身体からとか」
「その手があったか!」
「その歳で王子様待ってんじゃねぇよ、たまには狩れ」

よし来た!とばかりに食堂を後にする。取り敢えずアレだ、今晩はメイクも盛って飲みに行こう、そうしよう。


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「沖田さんまた駄目でした」
「またかよ…」
「そんな人じゃないと思ってたのに!って、」
「まぁ見た目と攻めは違いやすからね。つーか何人目だよ死ねよ山崎ィ、」

ざっと十人くらいかなぁ。今迄性格で選んでほぼ全滅…家庭的な子ばっかだったし、そもそも夜は期待しちゃいなかったけど。

「だからって最初から最後までマグロってのはどうなんですか!」
「毎回毎回煩ぇ!性格に期待するかアッチに期待するかどっちかにしろってんだ」

付き合ってられないとばかりに俺を置いて沖田隊長は席を立った。しかし女って面倒くさい生き物だなぁとつくづく。取り敢えず消化不良だった分だけでも、誰かと肌を重ねたいなんて不埒な思いだけが募る。そうだ、見廻り終わったら飲みに行こうとするかね。
この歳になると身体からでも悪くない

(あぁ、セックスしてぇ…)

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