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「あ、山崎さーん!」
出た、牛乳瓶…
「総悟から聞いたんですけど、大丈夫ですか?」
「何が?」
「いや、なんか…お悩み事がどうとか。私で良かったら聞きますよ!」
めちゃくちゃキラキラした目だよ!何!?あるっちゃあるけど夜の話だし女の人になんて…まぁ興味本位…と言うか弄りネタとして聞いておくのはアリか。処女拗らせてそうだもん…とりあえず少しオブラートに包んでおこう。
「笑わない、なら言うよ」
「もちろん!」
「………今ね、気になってる人が居るんだけど」
「まさかの恋のお悩み!?」
「でしょ?それに純情そうなみょうじさんにはちょっと濃いって言うか…」
解らないと言う顔をしている。絶対処女だこれ、絶対拗らせてるやつだこれ。
「恋かどうか解らないんだよね、まだ」
「どう言う事ですか?」
「付き合う前に一線超えた」
「ハァァァ!?山崎さんが!?」
「たった二回、逢ってシただけなんだけど。それ以降全然連絡取れなくてさ」
腑抜けな顔して声が出ないか。やっぱ地味な俺はそう言う感じに見えないのだろう。
「…ねぇ、最近いつシた?」
「したって何をですか?」
「セックス、」
「セックス!?…言わなきゃ駄目ですか?」
「うん。悩み聞いてくれるんじゃなかったの?」
あ、めっちゃくちゃ顔赤くなってる。かと思うとみょうじさんは下を向きながらボソッと呟いた。
「に、二週間前…」
「彼氏、居たんだ…」
嘘だろォォォ!?処女じゃないんかい!更には彼氏じゃないんですよ。とか言い出して…ちょっと待って、え?え?つー事はセフレ!?何この人、牛乳瓶なのにそんな感じなの!?俺の頭のキャパ超えて来たよ!
「あぁもう!可笑しいですか!?」
「ごめん、そんな感じに見えなかったからつい」
「ついって…私だってこの歳なんだから経験くらいありますよ!」
「じゃぁ今まで何人と寝たの?」
「……それも言わなきゃ駄目ですか?」
からかってやろう、そう思ってたのに。指折り数えながら彼女が出した答えを聞いたら俺の方が驚愕してしまった。侮るなかれ、牛乳瓶…
大人しい子ほど意外とヤってる
(覚えてるだけでざっと二十人…)(キャパ超えすぎだろォ!)