黙れアバズレ。 | ナノ

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何かを忘れたい時はフラフラと散歩をするのが一番だ。朝方のやり取りが柄になく小っ恥ずかしくて日中は殆ど仕事にならなかった。たった一晩肌を重ねたそれだけなのに、言い表せない何かが襲ってやまない。そして私はネオンの光も杳として影に潜む。くるくると足取り軽く踊っちゃったりなんかしても誰も気付かないはずなのだから。質素な着物を纏えばそれですら…すべて溶け込んでいると思ってた。鼓膜に響くその声を聞くまでは………

「こんばんは」
「………!」
「あれ?もしかして忘れちゃった?」
「やだ、何で…」
「勝手に帰るなんて酷いよね。今夜は逃がさないから」
「きょ、今日はそう言う気分じゃない」
「俺がそう言う気分なの。付き合ってよ」

流されて結局断れず着いてきてしまった。部屋に入るなり抱え込まれベッドに投げつけられる。

「いったぁ…」
「あれだけシタのに忘れるなんて許さない」
「忘れてなんか…ない、わ」
「嘘だね。じゃぁ名前くらいは聞かせて?いっぱい可愛がってあげるから」

逃げられない様に手首を拘束された。嫌だけど身体は素直に受け入れてしまって、次第にどうでも良くなって快楽に浸る…この人のこの指先から、刺激を欲しかったんだって。

「っはぁ、あぁ…んっあ………!」
「何?ココが良いの?」
「そんなにシたら、壊れ…るぅ、」
「壊れてよ」
「ゆび…だけじゃ、ヤダぁ……」
「………淫乱」
「それじゃ満足できないの…アナタが良い……!」

そう言って目を見据えねだると勝ち誇ったかの様に笑みを浮かべた彼に一気に貫かれた。

「あぁっ!」
「ねぇ、もっと俺を欲しがってよ!」
「そこはっ、だめぇ……」

声色が変わり何も考えられない。脚を持ち上げられ奥まで深く。イキそうになると弱められ私は目で訴えた。

「なぁに?言わなきゃ解んないよ?」
「いじ、わる…」
「ごめんごめん。泣かせたい訳じゃないんだよね」
「んっあ、…きもちぃ。ひゃぁ…あああ……!」
「鳴かせたいだけ、なんだ……っう」
「さがる、くんっ………!」

これ以上しないで欲しいのに私の理性は働かない。本能的に求めてしまう。あぁもう………
当分忘れられそうにない

(だめになりそう、)

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