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「なんで…無いのよ………」


今更ながら入学する高校の部活くらい調べておけば良かったと思う。高校受験で母の地元に越して来ると言うところまでは正規ルート。しかしいざ合格して入学したら希望する部活が無く非正規ルート突入。


「でも何か部活入らないとなぁ…」


帰宅部…は少し気が引けるなと思い、部員募集の掲示板を見に行くと一際目を引くポスターが…


「イワ、トビ…ちゃん?」


何だソレ、この学校にこんなキャラクターがいたとは…入部特典とか書いてあるが、コレ目当ての人いるの?と思うくらい目死んでない?


「興味あるの?水泳?」
「へ?」


気付かないうちに私の両隣には人がいた。一人は確か同じクラス…葉月君だっけ?もう一人はイケメンで私のタイプだ!


「なまえちゃんなら、イワトビちゃんノーマルバージョンと水着バージョン、二つともあげるよ〜!」
「渚!彼女ちょっと引いてる…」


葉月君が両手にイワトビちゃんを持ち、私にどーん!と見せてきて、イケメンさんがフォローする。


「えぇ〜!?イワトビちゃん可愛いのに〜!」
「…そう言う問題じゃ無いと思うけど、」
「そうだぞ、渚。本人に気が無いと長続きしないだろうし…」
「じ、じゃぁ今ならマコちゃんが手取り足取り、水泳を教えます特典!とかどう?」
「えっ!?」
「そ、そ…」


おいしい話のその裏で
(その特典乗った!)(作戦成功だね、マコちゃん!)(そう、だね…)
(ねぇ何の話〜?)(ん?何でもないよ?)
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