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「竜ヶ崎くーん!」
「何ですか一体…」
「ちょーっとお願いがあるんだけど…」


走って駆け寄るみょうじさんはクラスの副委員長、そして委員長はこの僕だ。正直、金髪でミニスカートの女の子がクラス委員だなんて信じたくない。
あくまでも噂だが中学の頃の彼女は大人しくて成績優秀…だったらしい。その彼女が変わり果てた姿になったのは卒業式の日、三年間同じクラスだった好きな男子に告白して“誰だっけ?”と言われたからだそう。周りからは印象に残ってないって…アイツ残酷だよねーと慰められたと聞いている。しかし…


「何であなたみたいな見た目がチャラチャラしてる人がクラス委員なんですか…」
「やる事はちゃんとやってるよー?………やっぱ説得力無い?」
「当たり前ですっ!クラス委員たるもの、みんなの手本でなくてはいけないのに…」


とか言いつつも彼女は先生からの人望も厚く僕だって彼女が委員会の仕事をきちんとやっている所は見ている。つまり見た目だけが難有り、なのだ。そんな彼女の“お願い”とは何か少し興味が湧いた。


「私さー、イメチェンしようと思うんだけど…」
「それ以上どこをイメチェンするんですか?髪も金髪ですし…」
「新しい服とか買いに行きたいんだよー」
「一人で行って下さい、僕は付き合いきれません」


そう言うと彼女は残念そうな顔をし僕には少し罪悪感が生まれた。


「じゃぁさ!クラス委員としてまともになるから!」
「…本当ですか?」
「本当、本当!髪も黒く染めるしスカートも膝丈に戻すから!!」
「…わ、分かりました。そこまでするなら良いでしょう!」
「やったー!じゃぁさ、私と付き合って!!」


良いでしょう!
(わーい!)(今のは無しですっ!話の流れに飲まれただけですっ!と言うか何でそんな話に…)(だ、だ、だって好きなんだもん、)
(………そんな単刀直入に言わないで下さい!)(あ、竜ヶ崎君、顔あかーい!)(照れてません!)
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