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真琴君は私の想い人だ。高校に入って同じクラスになり彼の優しさにやられて好きになった。だけど優等生タイプで誰にでも優しく接する彼を好きになったのは私だけじゃなく他にもたくさんいて…


「…今日も女の子振ったらしいね?」
「好かれるのは嬉しいんだけどねー」


彼は女の子から頻繁に告白されていた。好きな人が他の子に取られちゃうんじゃないかって心配するし、OKなんて出さないで欲しいと切に願う。近づきたい一心で同じ委員会に立候補したり偶然を装って一緒に帰ったりして今ではそこそこ仲が良い方だとは思うけど…


「女の子がキャーキャー騒いでたからねぇ…」
「でもさ、好きな子に好かれなきゃ意味ないでしょ?」
「…いるんだ。好きな子?」
「まぁ…ね、」


どうせ私は普通だし真琴君に告白する子はみんな可愛い。少しでも可愛くなれるなら…なんて参考程度に聞いてみる事にした。


「どんな子ー?」
「真面目でおっちょこちょいだよ。ソワソワしちゃってもう目が離せないんだ」
「真琴君が目を離せないだなんて相当だね。告白したの?」
「それがねー、結構アピールしてるつもりなんだけど全く気付いてないみたいなんだよね、」


こんな素敵な人がアピールしてるのに気付かないなんて…何か残念な子だ。それ以前に相手が自分じゃ無さそうな事が残念極まりない。


「今も全然、気付きそうもないよ」
「え、今?」


真琴君は“え?本当に気付いてないの?”と言うが全く意味が分からなかった。


「なまえちゃん、」
「なぁに?」


この気持ち早く気付いてよ
(わ、わ、わたしも、好きっ!)(知ってたよ?可愛いからからかっちゃった)
(えぇーっ!?酷いー!)(そんな不貞腐れてないでこっちおいで?)(わっ、)
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