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※短い上にヒロイン変態です。





みょうじなまえ、電柱の陰からお送りしております。今回のホシはそう、泣く子も黙る真選組………の監察・山崎退。非番らしく隊服は着ていない。大江戸スーパーからものすごい数のマヨネーズ(絶対土方さん用だアレ)を両手に抱え出てきたところを発見、追跡モードに移行しました、どうぞー。
女装も出来る絶妙な長さ、そして艶のある髪の毛。首元から鎖骨にかけて途轍もなく色っぽい…のにも関わらず今日はタートルネック。んんん、見えない!見えないよ!!あンのセクシーな鎖骨拝みたいよぉぉぉ!!!あ、こっち来た…心の準備が出来てないのに!手が!来た!!あ!ちょっと待ってあああ!


「いでっ…!って、殴られたぁぁぁ???」
「お前何やってんのォォォ!?」
「あ、おはようございます。相変わらず素敵ッ!今のも愛情の裏返しですよね!?」
「そんなワケないでしょ、馬鹿なの?どうぞー、とか言ってたけど何なの?探偵ごっこか!」
「探偵ごっこじゃないです、監察ごっこです。ただし退さんに限る、ですけど。て言うか聞こえてたんですか!?さすが退さん!監察の鏡!!」
「はぁ………もういいや」


はい、とレジ袋が擦れる音がして渡されたマヨネーズの山。素直に受け取り再度後をつける。はぁ…後ろ姿もかっこいいなぁ……今日は髪括ってるんだ、えっろーい!!!
つくづく思うけれどこの人はどこまで私を魅了するのだろうか。毎日毎日笑顔を振りまき、たまにあんパンも振りまいて(振りまいてねーよ)、人知れず江戸の平和を見守って、たまだけにたまにたまさんの平和も見つめて(それはただ好きだっただけ!)、ついでに私も見守って…くれてたら良いなぁ、とか考えちゃう。日を追うごとに私の頭は侵食され、同じように願望も膨らんでゆく。


「願望だけでいいの?」
「え?聞こえてました?」
「うん。それに突っ込んでたんだけど気付いてなかった?」
「えぇ、………えぇぇぇぇ!?!?!?」


むにっと退さんの空いた右手が私の両頬を内側に押さえ、顔が近づいてくる…ち、ち、ち、近いぃぃぃ!きっとこれは悪い夢だ。私が彼を好きすぎる故、勝手に繰り広げられた妄想劇場なのだ…うんうん。煩悩よ立ち去れ!と強張ってきつく目を閉じたけれど、殴られるわけでもなく、おでこに降ってきた。これはまさか退さんのくちびる…!………って、え?嘘…


「顔、真っ赤だよ」
「ささささ、退さんっ!」
「正面から来てくれればちゃんと応えるのになぁ。ま、俺も人の事言えやしないんだけど」


そう笑って背を向けたホシは私の心をまた奪って行きました。今日の尾行は失敗したので明日は見つからないようにしたいと思います!………あれ?作文!?


電柱の陰からお送りしております
(いや、だから正面からって…)(そんなの恥ずかしすぎます!)
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