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「トリック!」
「オア?」
「「トリィートォー!!」」
「…何、やってんの?二人共…」
もしかしてオレンジ色のカボチャくり抜いて中にキャンドル入れて、仮装してキャッキャするやつ?何だっけ…
「ハロウィンだよ〜♪」
「それは何となく分かる」
「さすがハルちゃん!」
ハルは多分俺の心を見透かしたのだろう。本番に向けてなのか本格的なメイクはしてないが、小悪魔的な衣装を着た幼馴染みが可愛くて仕方ない。
「マコー!見て見て!これ手作りなんだよ。可愛いでしょー?」
尻尾を掴んで見せてくる彼女に、“衣装よりなまえの方が可愛いよ”なんて言葉は掛けられなかった。なまえは凛が好きだし、凛もなまえが好きだから。俺達の中では認知されていて、知られていないと思っているのは当人達だけ…
俺がなまえを好きなのもなまえ以外は知ってるから、天然なこの子の行動には困っている。ハルも渚も、怜までもが“あーあ、御愁傷様”と言う感じだった。
「凛には見せないの?」
「な、な、何でそこで凛がっ!で、出てくるのよ!」
「見せないのか?」
「見せないの?」
「見せないんですか?」
凛となまえ、この二人早くくっつけばいいのにと思っているのは俺だけじゃないみたいだ。
「何を見せるんだよ」
「り、り、り、りーん!」
「おまっ、何て格好してんだよ…」
「へっ?あわわわ」
「あっ、凛ちゃーん!」
いきなり凛が居て驚いた。後で聞いた話だけど、なまえがハロウィンの衣装を持って来るのを知っていた渚がこっそり呼び出していたらしい。本当、渚は策士だなぁ…
二人は動揺しているのか真っ赤なのが見え見えだし、屈んで耳と尻尾を隠すなまえと顔を逸らしながらもチラチラ見てる凛。そして引き吊った笑いをする俺と楽しそうな三人。
本当面倒すぎるよこの人達………もう、いっそのこと
リア充爆発しろ…(可愛いんだから見せれば良いのに)(は、恥ずかしいからあっち行ってー)(微笑ましいですね)