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容姿も身長も言葉遣いや髪の毛の色、校則違反のスカート丈も気に食わなかった。それが当たり前なのだから。
全てにおいて真逆のタイプ、それがこのみょうじなまえ先輩。先輩なのに同じクラスなのは彼女が留年したから。そして席替えでこの人の前の席になってしまったのが僕の運のツキだ…小動物みたいに小さい彼女は毎回毎回、デカイから黒板が見えないだの、僕に突っ掛かってくる。


「竜ヶ崎、見えない」
「それは僕のせいではありません、みょうじ先輩」
「先輩呼びはヤダって言ったじゃん。同級生なんだからなまえちゃんで良いって」
「はぁ…」


紛いなりにも年上の彼女に対してちゃん付けの呼び方なんて…授業を受けているクラスメイトには、またいじられてると言う目で見られているに違いない。


「じゃぁ休み時間で良いからノート貸してね、おやすみー」
「ちょっと!」


とまぁ、こんな感じでだいたいいつも休み時間にはノートを貸したり、高い所にあるものを取ってあげたり何だかんだ言ってもはいはいと構ってしまう自分がいるのも確かだ。小さくて危なっかしい彼女を放っておけないと、まるで娘に構う父親のようだと最初は思って居た。だけど最近になってようやく目で追ってる自分に気付いて、ここのところ毎日彼女が視界に入っている。


「なまえちゃん先輩…」
「お!何だね、竜ヶ崎?」
「………やっぱり何でもありません」
「何だよー、気になるから言えって!」
「まだ言ってあげません」


僕はきっと彼女が好きなんだろうけど、今はこの距離感が丁度良い。


胸に秘めた想い
(気になるじゃん)(じゃぁ気にしなくて良いです)(その態度何かムカつくなぁ…)
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