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「ナニコレ…」
「週末のデートプランです」
「いやぁ…これは無いでしょ」


デートに誘えと言ったからか、渚君に急かされたからか、はたまた両方か…あれからすぐに怜と週末デートの約束をした。
したけどさ、いくらなんでもこれは無い!何このデートプラン。修学旅行のパンフレットかよ!


「完璧じゃないですか?
11:30 岩鳶駅集合
12:15 目的駅到着
12:20 昼食
13:00 映画館入館
13:15 上映開始
15:30 上え…」
「あーもう言わなくていい!」


おでこに手をあてて考える人みたいになってる私。デートにスケジュールを組むなんて、たまったもんじゃない。


「頭痛でもしているんですか?」
「誰のせいだよ…て言うかこのスケジュール通りに行けると思ってんの?」
「思ってます。何回もシュミレーションしましたから!」
「はぁ…」


シュミレーションしたのかよ…聞くと映画のチケットも入手済、レストランも予約したらしい。しかしマイペースな私にとってここまで指定されると嫌になってしまう。そして当日…


「雨じゃん」
「雨…ですね」


警報が出る程の大雨。なんとか待ち合わせには間に合ったものの電車は遅延していた。


「これでは間に合わない…」
「不可抗力だね」


ぽんっと肩を叩き怜を慰めるも、肝心の怜がプルプル震えている。そんなにスケジュール通りに行かなかったのが嫌だったの?


「スケジュール通りに行かないなんて有り得ない」
「組めばいいってもんでもないしねぇ。仕方ないよ」
「みょうじ先輩と初めてのデートだったのに…」
「あれ?そこ??」


完璧さを求める怜だから、てっきりスケジュールも完璧にしたいのかと思ってた。私とのデートだからって聞いてすごく嬉しい。


「僕だってやれば出来る事くらい示したかったんです!」
「なんでそこまでこだわるの?年下だから?」
「えぇ。こう言う時くらいはリードしなければと思ったので…」
「怜って結構紳士なのね」
「結構は余計です!それに…」


みょうじ先輩に楽しんで貰いたかったから…その言葉を聞いてますます怜が好きになってしまった。でも……


「あのさ、一つ言いたいことがあるんだけど」
「何でしょう?」
「二人でいるときくらいは名前で呼んでくれない?彼女だし」
「そ、そんな失礼な事は出来ません!」
「いやいや、苗字にさん付けの方が違和感満載なんだけど…」


このあと小一時間からかわれました
(なまえ先輩?)(違う!先輩もいらない!)(なまえさん?)
(さん付けって何かよそよそしくない?)(なまえ…ちゃん?)(ちゃん付けも違う気がするー)
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