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「渚ってさー、名前だけじゃなくて、容姿もほんと女の子みたいだよね。女装させたらナンパとかされそう」
「うっ…人が気にしてる事をズバっと言うね…しかも女装って、」


お互いの頭のてっぺんを計り、若干だけど私の方が少し高い。と誇らしげななまえちゃん。僕だって気にしてない訳じゃない。ましてや成長が遅いなんて思いたくも無い。だけど同級生の怜ちゃんなんかを見てると背が高くて羨ましく思える時だってある。好きな子よりは高くいたい、それが男ってものだ。


「僕だって好きで背が低い訳じゃないのに、」
「まぁ私だって好きで背が高い訳じゃないよ」


一瞬、しゅんとした顔を見せ、その場にしゃがんだなまえちゃん。僕より若干身長が高い彼女はスラッとしていて細くて…触ったら壊れそうな程透明感があって…僕は惹かれている。そして“せめて自分より10センチ高くないとストライクゾーンに入らない”と言っていた事を思い出した。あの頃は凄く悔しくて…一日に何杯も牛乳を飲んだりしていたとなぁと、ぶっと吹き出してしまう。


「どったの?」
「いや、たくさん牛乳飲んでた頃思い出して、」
「身長?」
「もちろん!好きな子より低いなんて情けない…」


そう言うと今度はなまえちゃんが吹き出した。


「ちょっと〜!何で笑うの〜!?」
「だって…必死に牛乳飲む姿思い浮かべたら可愛くて、」
「だから可愛いとか言わないで〜!」


ポコポコと柔らかく突っ込むと“渚は渚でしょ?そのまんまで十分魅力的なのに”と言われた。
逆にツンツン、と頬っぺたをつつかれなまえちゃんの指の暖かさに和んでしまう。


「期待、しちゃうよ…?」
「す、するならしなさいよっ!」


好きなんだから!
(なまえちゃんより身長低いよ?)(こっ、これから伸ばせば良いんじゃないのっ?)(じゃぁまた牛乳生活かぁ〜)
(私と競争ね、)(なまえちゃんは飲まなくて良い!伸びなくて良い〜!)
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