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一目惚れだった。
瞳を奪われた。



貴方は私の心を……盗ってしまった。









忍に感情なんて必要無いって言われた。
誰に?

武田の忍に。
道具だって。





でも喜怒哀楽があるのだから感情を押し殺すのは無理があると思う。







たまに思う。
私が存在している意味はなんなのか。







気になる奴が居た。
会ってみたかった。

でも知らない。
織田の尖兵の一人っていうのは知ってた。
名前は知らない。

だから聞いた。



左近?
違う。
天海って奴に。

天海は明智光秀だと思う。
そうなのかと聞いた。
否定しなかったから肯定なのだろう。

天海って奴に聞いて織田の尖兵のことを聞き出した。
其の後、知らないフリして左近に聞いた。





ごめんね……。





















『…………』

「八重……様?」

『……なんでもない』

「……」




















消えて、居なくなりたい。


























『……やっぱ、無理なのかも知れない……』

「……」

『……忍なんかになりたく無かった……』

「八重……様、」

『……感情を捨てないと……』

「……」

『……じゃないと、忍失格だから……』

「……」

『勝家、』

「八重様?」

『もし、私が感情を捨てられなかったら……貴方の手で私を殺してね』

「!? 八重様、其れは……」

『徳川とかに討たれて死ぬより貴方の手によって殺された方が本望だから……』

「八重さ……ま……」

『……好きだから……』

「……」

『……どうしたら……っ、!?』

「八重、私は貴女に救われた。以前の私は全てを諦めていた。……八重が私に手を差し伸べてくれた。だから変われたんだ」

『っえ……』

「八重、八重は八重のままで良い」

『私、のまま……』

「私は八重に惹かれた。……お市様と違った貴女を守りたいと思った。其れは此れから何があっても変わらない」













つくづく思っていた。
忍がこんな感情を持って良いのだろうか、と。

翌々考えれば、かすがは軍神に惚れていた気がする。
其れを佐助に咎められて居たのも。
でも、そんなこと人に言ってるくせに佐助も私を見ていた。

視線を感じていた。

私は其の気持ちを知らないフリにした。











『ふふ、ありがと』

「八重様……」

『元気出た。此れからも一緒に……側に居てね』

「承知しました」









八重様が元気になられて良かった。
此れからもずっと、彼女と共に居よう。




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