気になる点がある。
松永様から風魔は道具だと聞かされた。
でも、私は道具扱いされていない。
何故だろうか。
忍は忍でも違うのだろうか。
『松永様、』
「……何かね?」
『以前貴方から、風魔は道具だと聞かされました』
「ああ、確かに言ったが。其れがどうかしたのかね?」
『何故、私は道具扱いされていないのでしょうか?』
「されて欲しいのかね」
『いえ……』
「……卿は確か、私と会ったとき怪我をして倒れていた。興味が湧いた。だから、助けたのだが……まさかこんな結果になるとは……」
『え、ちょ、其れ誉めてんの?貶してんの?』
「……風魔と違って卿は特別だ。此れからも頼むよ、八重」
『了解しました。松永様、気になる人物が居るんで連れてきても良いですか?』
「……卿の好きにすると良い」
『やった。じゃあ、少し離れます』
そう言い彼女は消えた。
私が松永様に会ったのは武田の忍隊に襲われて疲労の末、倒れてしまった時だった。
でも昔と今ならどっちが良いと聞かれたら“今”と私は即答していただろう。
先ずは豊臣に行って三成に左近を貸して貰おう。