音無がミッションで死んでから此の部屋は只の空室となった。
相変わらず黒と赤で統一された部屋。
時折、白とかピンクとかあるけど。
「何か凄い部屋ッスけど、本当にあるんですかね?」
「さぁな」
「………DVDの巻数が合わない………」
西に言われ音無が大事にしてるDVDを見ると所々、巻数が飛んでいた。
恐らく奪われたものとは巻数が所々飛んでるDVDだろう。
* * * * *
音無さんの部屋に初めて入った。
出来るならこういう風に入りたくは無かった。
何か、物色してるみたいだから。
コツンと何かに当たったようだ。
恐る恐る見てみると、
「うッ、わァ!!」
頸の無い人形が転がっていた。
「ちょッ、玄野さん!!」
「なんだよ、桜井」
「なんで頸の無い人形がこんなところにあるんですかッ!!」
「頸の無い……人形?」
桜井に言われて頸の無い人形を見る。
市松人形じゃないだけマシだけど、どこか異様だった。
「此の人形の服……」
人形の服がどこか見たことあるもの。
ガンツスーツに似ていた。
もしかして、大事なものって……
他にもあるはずだ、と思い探す。
音無のベッドの脇には似たような人形がたくさんあり中でも抱き枕サイズの人形はとても大事にしていたようだ。
「自分で作ったのか……?」
ベッドの脇においてあるたくさんの人形は全て西に似ていた。
勿論、他の頸の無い人形も見付かった。
「皆、音無が伝えたかった事が分かった」
「朔夜が伝えたかッたこと……」
「音無の奪われたもの……つまり巻数が飛んで無くなってるDVDを取り返すことと此の頸の無い人形の頸を見付けることだッ!」
「DVDって……」
「……ターゲットにされていた彼奴の家にでもありそうだな……」
「頸の無い人形の頸は?」
「開かない部屋か?」
そう。
探してるときに開かない部屋があった。
何か厳重にされてて。
でも鍵が見付かったから恐らく其の鍵で開かない部屋は開くと思う。
早速、実行に移した。
DVDの件は和泉が一人で行くらしい。
本当は西にも行かせるつもりだッたけれど、当の本人が頸の無い人形の頸を探すと言ッた。
本当なのか分からないけど。
「……朔夜……」
朔夜はあのとき、俺に“大好きだよ”と言ッて死んだ。
アイツが死んだのは見れなかッたけれど、ネギ星人のときのヤクザみたいに上半身と下半身が分かれたのは見た。
アイツの姿に興奮したけど。
でも、アイツが居ないと……隣に居てくれないと……。
不意にベッドの脇においてある人形に視線を移す。
「俺に………似てる?」
「頸の無い人形の頸を見付けました!!」
桜井の声が聞こえた。
再びリビングに戻れば頸の無い人形の頸があった。
「其の人形、玄野クンに似てる……」
「ほんとだ」
「完成したらあげるつもりだッたんじゃ無いですか?」
「完成したらか……あと少しだッたのにな………」
人形は見付かり、DVDも和泉のお陰で巻数が揃った。
あとは、音無の再生のみ。
次のミッションで敵が多かッたり点数が良ければ良いなとか思ッた。