今回は良く走るなぁ、なんて思う。
スーツはオシャカだし左腕無いし何も出来ないじゃん。
まぁ、右手使える分良いかなぁなんて(笑)←
取り敢えず隠れておかないと。
* * * *
音無が先に行ってから数分後に俺達が転送された。
「俺達はどうすれば……」
「桜井と坂田とおっちゃんとレイカは音無を捜してくれッ!!」
音無の事は桜井達に任せて俺達(俺と和泉と西)は音無が“彼奴”と呼ぶ奴の所に行こう。
「お前ら……」
「つーか、簡単に見付けられたじゃん」
「……何故、ソレを持っている」
「コレか? コレさ、威力ヤバくね!? 因みに音無から奪って来た」
は?
朔夜から奪って来た?
じゃあ、今、朔夜はガンツソードのみッてこと?
まァ、其れでも殺れないことは無いけど……。
でも、嫌な予感はする。
* * * *
暫く隠れた儘、居たら誰かに声を掛けられた。
「音無さん??」
『誰……』
「俺です。桜井です。……大丈夫ですか!?」
『スーツ損傷で左腕消失だから大丈夫では無いかな』
「え!?」
私を見付けたのは桜井達だった。
彼が良かったなぁ、なんて心の中で思ってみる。
『あれ、皆、居たんだ』
「呑気に言ッてる場合じゃないッスよ!!」
『だって……Xガン、奪われたんだからしょうがないでしょ』
「Xガンも!?」
「玄野クン達が心配だわ!」
「行かないと!!」
『私も行く』
「ダメよ、其の状態じゃあ……」
『煩い。私はまだ彼に伝えてないんだから……』
「……玄野クン?」
『………違う』
玄野は違う。
何故違うか?
と問われれば、何と無くと私は答える。
玄野と居てもドキドキしないし。
もう致命的だよね。
私は立って行こうとしたら、やっぱり桜井に声を掛けられる。
良く気付くなぁ、なんて。
「危ないッ!!」
「え?」
「ウソッ!?」
『……チッ』
使える右手でガンツソードを持ち、凪ぎ払う。
相手はホラ、私の友達。
因みに女。
* * * *
彼奴が玄野に私の奪われたXガンを向けてる。
「動かない方がいいッて!!」
『玄野ッ、避けて!!』
「音無!? バッカ、避けたら西に当たるだろッ!」
「玄野、テメェ避けンなよ」
『……そうだね。ごめん』
そして彼奴が奪ったXガンの引き金を引いた。
私は咄嗟に動き玄野を庇った。
着弾は見事、私にヒットした。
「音無ッッ!!」
「……朔夜……?」
玄野は勿論、西も私のところに来た。
因みに彼奴は和泉に倒された。
『玄野……また、会える……よね…?』
「何言ってんだよ。転送来たから…」
転送により徐々に消え行く。
『に……し……』
「朔夜……」
カサリとポケットに小さく折った紙を入れる。
『 』
「え? 朔夜?」
そして皆、居なくなった。
伝えたかったことを彼に伝えた。
故に告白。
ああ……眠い、なぁ……。
其処で私の意識が途切れた。