え、何で玄野が倒れてンの?
ワケわかんない。
つか、スーツ着てねーし。
「音無……。お前も此処の住人だッたんだな」
『和泉……』
ラジオ体操の曲が流れた。
今回のターゲットはかっぺ星人。
そして皆、消える。
「あれ?」
『玄野、』
「音無?」
『玄野は15点以上取ッて!! ……私は先に行ッてるから……』
音無も消えた。
え?15点以上?
ガンツの表示を見ると“くろのは15点以上とらないと死にでち”と書かれていた。
ふッざッけんなッ!!
* * * * * *
ステルス掛けて敵が現れるのを待つ……いや、動こうか。
建物内に居るから私も行こう。
ッてか、玄野とオッサンが居るし。
別にいーけどね。
恐竜が居る。
オッサンの頭が喰われた。
私はステルス掛かった儘、持っていたガンツソードで真っ二つにしてやった。
「音無?」
バチバチとステルスが解ける。
やッぱり音無だッた。
『玄野、子供は10点だよ』
「子供?」
『あれ』
音無が指差した。
目の前にはデカイ恐竜が居た。
あれが、子供……。
「やめなッて、あれはね草、食べる奴だよ」
『知るか。玄野、此処は任せたからね』
音無はそう告げて此の建物から出て行ってしまった。。
* * * * *
私は再びステルスを掛けた。
恐竜発見。
点数取られる前に取るッてことでガンツソードで斬りましょう。
T-レックス。
真っ二つに斬れるかなぁ。
まぁ、ガンツソードを伸ばして切れば良い話だよね。
「真っ二つになッた……」
「死んだのか……?」
『……超能力使いか』
「師匠ッ!!」
「近くに居るぞッ!!」
バチバチとステルスを解いて姿を見せる。
高校生ぐらいの少年が驚いた顔をしていた。
「え……女の子?」
『超能力使い。厄介だな』
「怖いか、俺達が」
『そうじゃない。点数を取るのが難しくなッただけ』
「其の前に、どうやったら生き残れる?」
『………其処の女と玄野と一緒にバイクでどッかに行ッたオッサンが着ていたスーツを着れば良いだけの話。でも、其処の女のスーツはもう使いもんになんないしスーツ着てても只の人間と一緒』
「どういうことッスか?」
『多少のダメージを受けても其のスーツが守ってくれるから死にはしない。けど大ダメージ喰らって液体が流れたらスーツは機能停止する。だから次、殺られたら終わりかもね』
つか、もう1体のT-レックスを玄野が倒したみたいですごいなぁなんて。
「俺はもう……かなり前から……こんな夜を繰り返してる……」
『玄野、スーツの機能性は教えたから大丈夫だよ』
「サンキュ、音無」
『………』
「音無?」
『お礼言われたの、初めて』
ニコッと普段見たこと無い顔で笑った。
そんな音無に惹かれた。
気付けば周りは大量の恐竜が湧いてきた。
隣に居た音無を見れば消えていたからステルス掛けたんだと思った。
そして湧いてきた恐竜の半分が真っ二つになッていた。
だいぶ殺せた気がする。此れで100点に到達したら……
と思って居たらラスボスが現れた。
「俺だッ、お前の子供を殺ッたのは!!」
『玄野!? 何する気……』
「おっちゃん、生きててくれ。部屋で会おうなッ」
『待ッてよ、玄野。死ぬつもり!?』
「ンなわけ……」
『死なないでよ……』
「大丈夫だから」
泣きそうな音無を宥めた。
そして抱き締めて頭を撫でてやッた。
暫くして音無から離れて出来るだけ遠くに逃げようと走ッた。