『玄野早いね』
「音無か」
『どーなッてんの、此れ』
「さあ?」
何か玄野らしくない。
私は暫くジッと見詰めて居たけど再び前を向き周りを見た。
此の坊主ってテレビに良く出てたよね。
ツイッターで良くアンチされてた気がする。
私も其の1人だけど。
“似非坊主乙www”とか書いてたような……。
『ッてか、玄野』
「なんだよ」
『追い出したくせに何期待してんの?』
「お前、何で知って……」
『マジ夜煩かったんだけど』
「ごめんッ!! ほんとにごめんッ!!」
別にいーよ、ッて言っといた。
いつの間にか念仏唱えだしちゃったし。
信者かよ、死ね。
ガンツから表示が出てきた。
てめえ達の命は、
無くなりました。
新しい命を
どう使おうと
私の勝手です。
という理屈なわけだす。
今回のミッションは仏像を倒すやつか。
成る程。
あ、玄野が居ない。
玄関に行ってみようかな。
『玄野、何してんの』
「え、あッ!」
「此の子……」
『…………』
私は一瞥した。
玄野と其の女がやってる行為に。
でもミッションが大事だから立ち去る。
「友達じゃないの?」
「……」
もうどうでも良い。
* * * * *
周りが煩い。
スーツを着ろとか地獄に行くとか馬鹿じゃねーの?
私は早々に転送されて寺に着く。
一緒にされたくないから姿を消しておこう。
半壊してる門に入れるかなとか思っていたらギリギリ入れた。
門の外に居る奴らなんてどうでも良い。
取り敢えず寺の屋根に登って陰に身を潜めていた。