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「目当てはやはりナルトか」
「………!!」
『まぁ、狙ってんのはナルトくんだけじゃあ無いけどねー。っていうか、ナルトくんにしてもサスケにしてもイタチを倒すなんて無理難題だよねー。只の下忍に何が出来るんだよ』
「!?」
「姉ちゃん……?」
『はろー、ナルトくん(ニコ』
俺はイタチの後ろからヒョコっと顔出し手を振る。
「姉ちゃん、こいつら何者だってばよ!」
「ナルト! 迂闊に近付くな。特に闇月熾焔には」
「エロ仙人ってば、姉ちゃんの事知ってるのかぁ!?」
「闇月熾焔。お前は雨隠れの抜け忍で暁の一人……違うか?」
『は! 何で知ってんの』
まぁ、知ったとこでアンタに何が出来るんだよ。
自来也が言うには俺等を此処で始末するらしいけど、無理だよ。
「……手ェ出すな……。……こいつを……殺すのは……俺だ………!!」
フラフラになりながらも立ち上がるサスケはイタチに蹴られ壁に叩き付けられる。
其の後もサスケはイタチに殴られるは蹴られるは……。
『イタチ、確かにサスケはイタチにとっての実の弟だけど……。アタシの義理の弟でもあるんだからさぁ……』
「(彼奴……が、俺の義理の姉……!?)」
止めようと思って言ったのにイタチはサスケに月読を掛けた。
シカトしたのか…?!
地形が変化したと思ったら自来也が口寄せした蝦蟇の食道だって。
「熾焔、鬼鮫、来い!」
『はーい』
「流石にお前は逃がさんのォ」
『チィ……』
イタチと共に逃げようとしたら捕まった。
あは、でも捕まえたなんて本気で思うなよ。
「………二人は逃がしたものの、闇月熾焔……お主は此の儘、尋問部隊に引き渡す」
『クク……』
「何が可笑しい……!」
『此れで捕まえたつもりか? 本体はもうとっくに逃げた。勿論、イタチと共に』
「じゃあ、お前は!!」
『影分身だよ。じゃ、ナルトくんまた会おうね』
ボンッと音を立てて影分身は消える。
* * * * * *
『月読2回に天照は使い過ぎだよ。其れを回復するアタシの身にもなれ』
「く…………」
『アタシみたいにさぁ、リスクごと“無かったこと”にしても良いんだけど其れじゃあ嫌なんでしょ?』
「ああ……」
ケアル(魔法)で治しても良かったけど、一応医療忍術で疲労を回復した。
うちはってどうでも良いとこでプライドが高いよね。
サスケにしたってイタチにしたってマダラにしたってね。
暫く休養を取るとアタシ達はアジトに向かった。
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