銀土/once a week 02

許せよ、最初で最後の嘘にするから


once a week 2日目


「おはよー土方」

「おはよう銀時」


こいして二人で穏やかな朝を迎えられたのは何日ぶりだろうか。
この頃俺は書類やらテロやらで銀時に会いに行く暇もなかったからな。
チャイナと眼鏡はしばらく志村姉の所に泊まってくれるらしい。
だから、二人っきりだ。


「土方、ご飯にする?パンにする?」

「お前と一緒でいい」

「じゃーご飯でいいよね」


銀時はエプロンをつけて台所に立っている。
今日は俺は寝すごした。
何時もならもっと早く目が覚めるはずなのに、起きたら銀時がいなかった。
まだ少し頭がポヤポヤしている。
これも薬のせいなのかはわからないが、まだ大丈夫でいたい。

二人で机に向き合って料理を食べる。
今までの日常が嘘だったかのような今の時間。
銀時の作ってくれた料理を一口口に運ぶ。


「どう?」


銀時が味を聞いてくる。
俺は答えなければならない、ならないのに。

(味が……)

味が、わからなかった。
俺の口からはなにも伝えてこない。

(味覚が、死んだのか)

よくは分からないが、やはり薬の影響だと思う。
でもここで銀時に心配はかけたくなかったし、俺は銀時に初めて嘘をついた。


「美味いよ、マヨネーズはいらねぇな」

「俺の飯にマヨネーズなんてかけやがったら殴ってるっつーの」


銀時は笑ってる。

どうかこの時間ができるだけ長く続きますように。


俺にはただ願うことしかできないなんて。
なんて、無力、


残り5日
2011/03/31 12:22
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