銀土/once a week 03

一分一秒一瞬を身体に刻んで、俺は、


once a week 3日目


「どっか出掛けるか」


銀時が言ったその一言で、俺達は今日出掛けることになった。万事屋の従業員二人も久しぶりの外出ということで普段より数倍はしゃいでいた。

二人には俺のことはまだ話していない。しばらく休暇を貰ったと言ってある。でもきっとこれがただの休暇ではないことに気付いているのだろう。子供の勘の鋭さには完敗だ。


「俺ァ何処でもいいぜ」

「神楽ちゃんはどこ行きたい?」

「遊園地がいいアル!」

「土方はそれで大丈夫?」

「ああ」


神楽は目を輝かせてきゃっほーいと叫んでいた。きっと遊園地など行ったことがなかったのだろう。連れて行ってやらなかった銀時を後で問い詰めてやろうと思った。



***



遊園地のベンチに二人で座る。神楽と新八はあちこち走り回っている。なんだか子供を持った親みたいで。銀時との子なら、欲しいななんて夢にもないことを思ったりして。

銀時の隣が心地好い。ずっとここに居たいと思った。だけど俺に残された時間はあと少し。この幸せな時間はもうすぐ終わってしまう。逆らうことなどできやしないのだ。


「なァ、銀時」

「なーに?」

「俺、お前と会えてよかったって、思ってるよ」


その言葉を聞いた銀時の目が悲しみの色を写したが、俺は見ないふりをしてそっと銀時の口を塞いだ。


残り4日
2011/11/30 02:59
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