▽ キャラメル溶けた
がさりとポケットに手を突っ込めば、欲する固体が見当たらなかった。
紙屑ばかりで自分を満たす甘さに辛さが入ったものはなかった。
ふわっ、と自分が欲する塩キャラメルが目の前にいる気がした。
そんなことはあるはずがなく、三年生の女子のキャラメル色のふわふわの髪が歩く度に揺れていた。
「(確か赤沢さんの友達…)」
自分に気づいたのか、キャラメル色の彼女はご機嫌そうに自分に向かって手を振ってきたので小さく会釈した。
通り過ぎた後、後ろを振り返って彼女の後ろ姿を見た。
何だか気になるのは塩キャラメルに見えるからなのだろうか。
すっごい短い
キャラメル色ってことになって唐突に