カルバリの丘 後編 (3/5頁)
ぐ、と兄さんの両脇に手を差し入れると、力任せに僕より幾分も細い体を立ち上がらせる。
そうして教卓に手をつかせ、後孔から僅かに見える透明の輪を指にひっかけると、その真珠が連なった玩具を一気に抜き去った。
「っあ゛ぅああぁあア――!!」
その衝撃に、びくびくと後孔と体全体が痙攣する。
「ふ…ぁ、あ…」
射精せずに達すると、普通の快感より何倍も快感が長引くようで、絶頂の痙攣が治まったあとも、皮膚を指でなぞるだけで体を跳ねさせた。
丹念に舐めた2本の指を纏めて、紅く熟れたその孔に侵入させようとするが、入り口は狭いままで、諦めて1本だけをぬるりと飲み込ませる。
湿り気を帯びた胎内は、ずっと異物を入れられていたせいか、きつい入り口と違って、まるでその形を覚えているかのように僅かな空洞があった。
「ずうっと僕のも入れてたら、兄さんのナカって僕の形、覚えてくれるのかな…?」
そう言って2本目の指を滑り込ませると、圧迫感に逃げようとする。
左手で背中を押さえつけると、苦しそうな声が聞こえた。
「は、っあ…う…っ、」
指の半分ほどまで埋めては、爪の先まで引き抜いて。
それを繰り返して、3本目の指も添えて少し強引に兄さんの中へと埋めていく。
「っう゛ぁ…っくる、し…っ」
「何言ってるの。昨日は僕のを奥まで飲み込んでたんだから、大丈夫に決まってるじゃない。」
耳元でそう囁くと、体を支えている両腕の間に顔を隠してしまった。
「耳、真っ赤だね。首筋も…」
白いうなじをぴちゃりと舐めると、兄さんの汗の味がした。
その匂いだけで興奮できる自分に驚きながらも、兄さんを押さえていた左手を離して、苦しくなっていく自身を解放させるためにベルトを外す。
カチャカチャと鳴る金属音に、兄さんが逃げようとしたので、じくじくと入り口ばかりを弄っていた指を3本纏めて根元まで突っ込んだ。
「んぐっあ゛あぁう…!!」
僅かに膨らんだ前立腺をナカから押し上げると、戒められた兄さん自身の先端から、滲んだ精液が僅かにとろりと零れた。
兄さんの震える手が、ゆっくりと射精を遮っているリングとベルトに伸びる。
「あ、ぅん、んっ…」
もちろん、そんなこと許すはずがないけれど。
じゅく、と濡れた音を立てて指を引き抜くと、その指についたぬめりを自分の先端に塗りたくって、蕩けた後孔に押しつけた。
「っあ…!」
この数日で強制的に教え込まれたその感触に、入り口はまるで飲み込もうとするかのように、ひくひくと収斂する。
双丘を左右に割り開き、収斂の動きに合わせて先端を押しつけると、じわじわと飲み込まれていくそこを見つめる。くぷん、と張ったカリ首が埋まったところで、兄さんは短く息を吐き、くたりと額を机に押しつけるように弛緩した。
「っはぁっ、はっ、はぁ…っ」
そのまま進ませず、己の両手で、兄さんの両手を上から押さえるように机に縫い付ける。
指を絡めて、逃げられないように。
そうしたまま、にちゅにちゅと入り口で微かに腰を前後させていると、兄さんがじれったそうに腰を捩った。
「あ…あ…っあう…、ン、」
さらにつぷつぷと短いストロークで、先端まで引き抜いて浅い部分まで刺すのを繰り返していると、何度も挿入されるような感覚に、僕の指を巻き込むようにして、きつく手を握りしめてきた。
「奥まで欲しい?思いっきり前立腺ぐりぐりしてあげようか。奥の奥にもかけてあげる。」
「っふ、う…!」
絶頂までは連れていってはくれない、僕の動きに焦れた腰が揺らめき、けれど僕の言葉に正直に頷くこともできないのか、いやいやをするように左右に首を振る。
「ふぅん?それじゃあ、このままにしようか。僕は先だけでも気持ちいいし、ね?」
僕の言葉にぽろぽろと涙を落とすと、何度も躊躇った末、口を開いた。
「…っ、ゆ、き…っ」
「うん?」
「っあ、ゆきお…!」
「どうしたの、兄さん。」
はしたない言葉で、僕に懇願すればいい。
「ねぇ、ちゃんと言って…?」
「あ…あっ、っくるし、から…っあ、…はずし、…っ」
「どうして?」
何時間も我慢したままの状態で、限界なのだろう。背中に舌を這わせ、首筋に噛みつくと、兄さんの足ががくがくと震えた。
「も、っ…イ、きた…っあ…っ」
「…そう、じゃあ、イかせてあげる。」
「っあ!?う、あぁァ――!」
指を絡ませた両手を机に縫い付けたまま、うねる奥へと腰を進め、ずくずくと前立腺を抉るように穿つ。
「っあ、あうぅ…!!あ、あっ、ゆき、っあ!はず、しっ…ああっ」
「ふふ、心配しなくても、兄さんこっちだけでイけるでしょ…?」
「や、あ…ぁあ…っあうぅア――!!」
絡みつく奥が痙攣しながらぎゅうぎゅうとキツく締まって、絞り取られるようなその締めつけに、僕も兄さんの最奥に熱を吐きだした。
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