カルバリの丘 前編 (5/6頁)
教室の奥まで運ばれると、そっと下ろされて、両手首を志摩の片手で黒板に縫い付けられる。
「黙っとったるさかい…な?」
ふわりと笑う志摩の眼だけが、まったく笑っていなくて、恐怖すら感じる。
志摩の空いた片手がカチャカチャと俺のベルトを外す音に、ぎくりと体が強張った。
完全に脱がされれば、バレてしまう。
雪男の罰も、悪魔の尻尾も。
おそらく簡単に志摩を突き飛ばすことはできるだろうけれど、両手に力を入れた瞬間、雪男の赤黒く腫れた腹部が脳裏を過って、躊躇ってしまった。
「っマジで…やめろっ!志摩!!」
志摩の手から逃げるように腰を捩ると、ぐり、とまた中に埋められたものが内壁をこすって、思わず息が漏れる。
ふ、と。耳元で志摩が笑うのが聞こえた。
「昨日のこと、若先生にバレたん?」
聞いたことのない、志摩の低い声。
耳に息がかかって、ひくりと腰が戦慄く。
「っあ!あぁ…」
「めっちゃ勃ってるやん。…もしかして、先生に…おしおき、されとるん?」
志摩の膝が足の間に入ってきて、ぐりゅ、と股間を押し上げられて、声が上がる。
「あう…!や、やめ…っ」
「…今日は、バレへんかったら、えぇね。」
その言葉に、まさか、と志摩の方を見ると、すぐ近くで熱を孕んだ眼と視線が合った。
傷つけないように少しずつ押さえつけられている両手に力を込めていくと、足が浮きそうになるくらい、思いっきり膝を上げられて、腰が引けるような痛みに力が抜ける。
「痛、ぁ!…志摩…!」
「今日もちゃぁんとイかしたるさかい、な?」
「や…あ…ぁ」
今度はぐにぐにと微妙な力加減で刺激されて、思わず声が漏れた。
またカチャリとベルトに手を掛けられて、外される。
――まずい、このままじゃ、
「っう…ぁ」
志摩の足が、痛いような、むず痒いような、ぞくぞくする感覚を運んでくる。
ごりゅと動いた異物の感覚に、つま先まで電流のような快感が走って、意識が飛びそうになる。
「ふ…ぁ…!」
そして志摩の手がズボンのジッパー部分を下ろそうとした瞬間、さぁっと状況を思い出した。
「待っ、志摩…!ほんとにっ、」
ジィっという音が自分の下半身から聞こえた。
「やめ…っし、ま…!」
ずりっと太股の半分ほどまで下げられたズボンに、尻尾を背中で丸まらせるようにして逃がした。
張り詰めた自身に、さっきより布一枚少ない距離で触れられて、腰が抜けそうになる。
「あぁぁ…っいや、だっ…」
「…?なんか…何や?これ…」
下着の上から触れられて、昨日とは違うことに、気付かれてしまった。
(っ!!!せめて、せめて見られたくない…!)
「…っなんでも、…なんでも…する、からっ……頼むから、見んな…っ!」
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