正直者の嘘 (6/7頁)
水を含んで重くなった服を脱ぎ捨てると、兄さんが羽織っていたシャツも脱がせ、手錠のようにそれで両手首を縛った。
「っ!?、ゆきおっ…!?」
「あーあ…部屋に置いてきちゃった。後でちゃんとしてあげるから…」
今日届いたばかりなんだ、と付け加えると、疑問符を浮かべながら見上げてきた。
「気にしなくていいよ。…それより、こっちおいで。」
手を引いて湯船まで連れていくと、何をするのか不審な目で見てきた兄さんに、笑顔を向ける。
しばらく後ろから抱きしめるように湯船に浸かっていると、今日はこれで終わりだと感じたのか、兄さんの肩から力が抜けるのが分かった。
「ばかだなぁ」
後ろから、耳元でそう言うと、うとうとしていた兄さんが、ぱちりと目を覚ました。
「ふあっ!」
ぎゅ、と両方の胸の突起を抓ってやると、びくりと体が跳ねた。
さきほどまで解していた後孔へ、もう一度指を埋めていく。
「あ…あ…っや、熱っ…!きもち、わる、…っふ」
熱いお湯が指の隙間から胎内に流れこむ感覚が嫌なのか、頭を振って気を紛らわす兄さんに、今日初めて、前立腺に触れてやる。
「ああぁっ!!」
びくん!と何倍もの快感に跳ねる体。
ばしゃっと括ったままの両手が水面で跳ね、大きな音を立てた。
「あ…」
風呂場だと思いだしたのか、抵抗が鈍くなる。
そして僅かに腰が揺れたのを見逃しはしなかった。
お湯を掻き混ぜるように指を動かすと勢いよく引き抜き、浮力の助けを借りて兄さんの身体を浮かせると、兄さんのナカに僕のものを埋めた。
「あぁア―――!!」
お湯と共に奥へと埋め込むと、ぎゅううと内壁がきつく締め付けてくる。
「あうう!!や、っあ!!」
ず、と半分ほど引き抜くと、ナカに入ったお湯が引き抜かれる感覚に、兄さんが咽び泣く。
「ははっ、すごい、兄さんの、声が、響いてる」
まるでエコーがかかったように響く兄さんの声が、ずくりと下肢を一層重くさせる。
「ぁう!…あ、中で…っ」
「わかるんだ?僕のが大きくなったこと、」
「っっっ!!」
恥ずかしそうに黙り込むのを耳元で哂ってやると、ずるりと兄さんの中から引き抜いた。
「っあう!」
ぐるりと回転させて向かい合わせになり、兄さんの縛ったままの両手を僕の首に回させると、もう一度兄さんの中に埋め込む。
「あああぁっ…!!」
びくびくと震えながら、衝撃に耐える兄さんに、優しくキスをする。
そういえば今日は一度もしてなかったな、と思いながら。
舌を絡めると、おずおずと応えるように舌を差し出してきた。
嬉しくなって、吸い上げると、僕の入っている所がぎゅ、と一瞬きつく締まった。
ちゅ、と音を立てて唇を離すと、兄さんの両方の膝裏に手を通し、細腰を掴んで勢いよく立ちあがった。
「ぃ…ああ゛ぁああア!!ぅぐっ!!」
水面から出た体は、浮力を無くし、奥の奥まで兄さんの身体を貫くことになった。
そして湯船の縁に座ると、その衝撃にもきつく目を瞑り、はくはくと声にならない声を漏らした。
「あ、あ…」
あまりの深さに呆然と下腹部を見つめ、涙をぽろぽろとこぼす兄さんがいとおしくて、そっと口づけた。
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