りの泪
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ずるりと指を引きぬくと、ぼたぼたと口の端から唾液を垂らして咳き込む兄さんに、「あとで練習しようね」と声をかけると、酷く怯えた目で見つめられた。

そして唾液でぬめった2本の指で後孔をぬるりと撫でると、さっきまで己の咥内にあったその指が、何のためだったのかを漸く知ったようだった。

「や、あああゥ!ひ、ぃあ!」

そのままぬぷりと狭い孔に2本まとめて差し込むと、拒絶するように入り口がきつく締まった。

やはりほんの数センチしか入ってくれない指を、ぐるりとねじるように回転させる。

「イっぐ、ああ!」

少しだけ引き抜いて、回しながらゆっくり力を入れて差し込んでいく。

「兄さん、力抜いて。…って無理か。」

兄さんの右手はきつくシーツを掴んでいて、もう押させておく必要もなさそうなので、その手を離して兄さんの自身をゆっくりと扱いてやる。

「うああぁ、あ、ひァ、う、」

ヒクリと戦慄いて、少し緩くなった締め付けに、また指を奥へと進ませることに集中する。

ずり、ずりとゆっくりと埋まっていく自分の指を間近で見る。

朱く充血してひくりひくりと収縮を繰り返すそこがあまりにも扇情的で、指を飲み込んでいる入り口に舌を伸ばした。

「あ、あ、そ、んな…やめっ…ゆき、ゆき…」

自分で見ることもない場所を舐められるのが屈辱的なのか。いやいやをするように頭を振りながら拒む兄さん。

余計にいじめたくなって指と一緒に舌を後孔の中へと潜り込ませる。

「ゆっ、き!うああ!イやだ!ゆきお!ゆきっ、ぁア!」

同時に指を根元まで埋め込むと、兄さんは咽び泣いた。

「っっ!!ああア!」

ぷちゅ、と舌を抜いてぐるりと中で指を回す。

「ここ、だよね。覚えてるよ。」

ぐりゅ、と前立腺を指先で擦ると、太ももが痙攣した。

「っあ!ほんとにっ、やめ…やめっ、ゅきお…!」

ぐちゅぐちゅと奥の方を弄っていると、奥からどろりと粘着質な液体が指に絡むのが分かった。

「…ふふ、兄さん、わかる?僕のがまだ兄さんのナカに残ってる。」

掻き出すように指を曲げ、2本の指を開いて隙間を作ってやると、昨日吐きだした自分の精液が後孔からとろとろと零れ落ちてきた。

「掻き出さなくても溢れるくらい、今日はいっぱいいっぱい注ぎ込んであげる。」

ぐ、と扱いていた兄さんの自身の根元を、射精できないようにキツく締めると、はなして、と拙い声が聞こえた。

「だめ。まだだめだよ、兄さん。」

そう言って兄さんの無理やり折り曲げられた膝に、恭しく口づけを落とした。


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