断罪の鐘5 | ナノ


断罪の鐘


あれからまた2回、お湯を入れられて、お腹を押されて。
恥ずかしくて気持ち悪くて苦しくて、勝手に体が震えた。

またお湯を入れられている感覚がする。もうやだ、もう逃げたい、もうやめて。
どうやって喋っていたか忘れてしまって、俺はただ、あー、あーと獣のように唸っていた。

お腹の中に水が溜まって、内臓が押し上げられて吐きそうになってくる。

「…奥も洗わなきゃ。」

雪男が呟いた言葉を理解することなんてできないまま、押しあてられていたシャワーヘッドが外されたことに安堵した俺は、体中の力を抜いた。

「っ!!!う、あ゛ぁああ!!?ひあ、あぁあ゛あっ!!」

シャワーヘッドごと、ナカに入れられたのかと思った。

だけど、違う、熱くて、どくどくと波打つ、コレ、は。

「あ…ああぁぁあっ…あ、あ…!」

恐る恐る振り返れば、想像通り、雪男が自身の熱を俺のナカに埋めていた。

水圧と共に訪れる、凄まじい圧迫感。

「あぐっ…あ゛!やめ、や…抜、っあ゛ぁああ!!」

今度はぎりぎりまで引き抜かれる熱と一緒に、体内のお湯が移動する。

「ちゃんと奥まで、綺麗にしなきゃ…ほら、兄さん、」

ぐいっと両脇腹に手を差し入れられたと思ったら、ふわりと体が浮いた。

直後、ざくりと串刺しにされたような感覚に、俺は喉を仰け反らせた。






*






「ひ、あ゛――!!」

がくがくと震える体を抱きすくめるようにして、後ろから羽交い締めにする。

奥の奥まで自身で掻き混ぜるように、内壁を隙間なく擦りあげる。

「んぐっ!!」

お腹の方に少し膨れた部分――おそらく前立腺だろう――があり、書籍で読んだ通り、そこはとてつもない快楽を齎すらしい。

苦しさで萎えていた兄さんの陰茎が、そこを擦るたびにゆるゆると角度を取り戻していく。

「あ、あうっ…!あ、ン、っう!」

明らかに声音が変わり、血の気が引いていた頬にも朱が刺す。

「だめだよ、まだ、綺麗にしてる途中なんだから。」

『綺麗』という言葉に異常に反応するように顔を引き攣らせた兄さんが、怯えるような眼で僕を見た。

――僕が酷いコトしてるみたいな眼で、見ないでよ。

兄さんの体を持ち上げ、ずるっと自身を全て引き抜いてやれば、すぐに閉じられないはしたない入り口から透明なお湯がぷしゅ、と溢れてくる。

「ひ――やああぅう!!」

「…ふふ、綺麗になったみたいだね?」

白濁の混じることのなくなったお湯を見ながら、未だぼたぼたと体内に残ったお湯を零すそこに、もう一度先端を添える。

ひくひくと求めるかのように蠢く入り口に咥えさせるように、兄さんの体を僕の腰の上へと再び降ろした。

「ッ、ああああ――!!!」

うなじの部分に見つけた噛み痕に、上書きするように噛みつく。

背中へと続く鬱血にも、残らず上から吸いついては痕をより色濃く残していく。

他人が兄さんを穢した痕跡など、何一つ残してなんかやるものか。

「ん!!っうあ…!や、め…っひあ゛!」

脇腹についた鬱血に、身を屈めて噛みつく。噛みついて、吸い上げる。

僕の歯型と鬱血痕が残った背中に満足して、兄さんの手をタイルに付かせて四つん這いにさせると、無我夢中でナカを穿った。

「ひあ!!あうっ!!あ゛!あぁぁぁあああ!!!」

びゅるりと綺麗になった内壁に精液をかけた瞬間、応えるように兄さんが蜜を吐き出した。

「あ…あぁあ…ふあ…」

くち、くち、と少しだけ腰を前後させて、精液を内壁に馴染ませるように擦りつける。

「これだけじゃあ足りないよね、もっと入れてあげるね。」

「ひぐっう!」

奥に差し込んだまま、兄さんの足を掴んでぐるりと体を半回転させる。

前側にも無数の鬱血を見つけて、また何度も噛みつくように上書きしていく。

「痛っ、んう!あ゛!い゛っ!!」

噛みつきながらナカを揺さぶると、入り口はよりきゅうきゅうと締めつけをきつくした。

「誰にも…誰にも触らせないで…」

うわ言のように呟きながら何度も何度も奥を穿ち、何度も熱を注ぎ込む。



ふと我に返ったのは、もう何度目の熱を吐き出したのかもわからなくなった後だった。



目の前には、ぐったりと力なくタイルに身を預ける兄さん。

はあはあと荒い息が漏れるだけで、もう嬌声は上がっていなかった。


「兄さん…兄さん…」


顔を覗きこむと、虚ろな瞳で兄さんが僕を見た。

震える手が、よしよしと僕の頭をゆっくりと撫でる。


「にい、さっ…」


「おまえの、ねが、い…かなえて、やる…から、」

からからになって引き攣れた声で、兄さんが途切れ途切れに紡ぐ。

力の入らない体を無理矢理起こした兄さんは、そっと、僕の乾いた唇に触れるだけのキスをした。


「だれにも、触らせない。」


兄さんの瞳に映る僕は、情けない顔をしていた。まるで、暗闇を怯える子供のような。


「これで、さいご。」


もう一度、そっと触れるだけのキスをして。


「誰にも、触らせないから…。だから、雪男、お前も。」


ふわりと優しく、兄さんの体を蒼い炎が包む。

凛と響いた声が、僕らの罪を裁くように響いた。





「そうだね…。これで…」

兄さんは誰にも穢されない。





僕はこころのどこかで酷く安堵した。

蒼い炎が兄さんを守ってくれる。

これで、もう二度と、兄さんは誰にも、僕にも穢されることはないのだから。



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夏雪さま、リクエストありがとうございました!!
総受けでエロス有りとのことで、最初4Pか!と考えてたのですが…ハードル高すぎましたぁすみません!!なので志摩+勝×燐からの雪×燐で。一つの作品で志摩・勝呂・雪男を書けて楽しかったです!

「ごめん」って言われるより、笑って流されるほうが辛いかな、と思って、そこから暴走させてみました。雪男は初めてを他人に取られたら暴走しそう。

子猫さんはね、…図書館行ってるんですう!祓魔塾生の部屋は防音完備なんですう!と言い訳します。

そしてはしたないことを言うと…志摩→太さ普通で長そう。勝呂→太くて長さ普通ぽい。雪男→巨こ…こ、このへんでだまります(笑)

好きすぎて暴走、という部分は頑張ったつもりなので貰っていただけると幸いです!
そして大変お待たせいたしましたっ!





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