◎ 断罪の鐘
あれからまた2回、お湯を入れられて、お腹を押されて。
恥ずかしくて気持ち悪くて苦しくて、勝手に体が震えた。
またお湯を入れられている感覚がする。もうやだ、もう逃げたい、もうやめて。
どうやって喋っていたか忘れてしまって、俺はただ、あー、あーと獣のように唸っていた。
お腹の中に水が溜まって、内臓が押し上げられて吐きそうになってくる。
「…奥も洗わなきゃ。」
雪男が呟いた言葉を理解することなんてできないまま、押しあてられていたシャワーヘッドが外されたことに安堵した俺は、体中の力を抜いた。
「っ!!!う、あ゛ぁああ!!?ひあ、あぁあ゛あっ!!」
シャワーヘッドごと、ナカに入れられたのかと思った。
だけど、違う、熱くて、どくどくと波打つ、コレ、は。
「あ…ああぁぁあっ…あ、あ…!」
恐る恐る振り返れば、想像通り、雪男が自身の熱を俺のナカに埋めていた。
水圧と共に訪れる、凄まじい圧迫感。
「あぐっ…あ゛!やめ、や…抜、っあ゛ぁああ!!」
今度はぎりぎりまで引き抜かれる熱と一緒に、体内のお湯が移動する。
「ちゃんと奥まで、綺麗にしなきゃ…ほら、兄さん、」
ぐいっと両脇腹に手を差し入れられたと思ったら、ふわりと体が浮いた。
直後、ざくりと串刺しにされたような感覚に、俺は喉を仰け反らせた。
*
「ひ、あ゛――!!」
がくがくと震える体を抱きすくめるようにして、後ろから羽交い締めにする。
奥の奥まで自身で掻き混ぜるように、内壁を隙間なく擦りあげる。
「んぐっ!!」
お腹の方に少し膨れた部分――おそらく前立腺だろう――があり、書籍で読んだ通り、そこはとてつもない快楽を齎すらしい。
苦しさで萎えていた兄さんの陰茎が、そこを擦るたびにゆるゆると角度を取り戻していく。
「あ、あうっ…!あ、ン、っう!」
明らかに声音が変わり、血の気が引いていた頬にも朱が刺す。
「だめだよ、まだ、綺麗にしてる途中なんだから。」
『綺麗』という言葉に異常に反応するように顔を引き攣らせた兄さんが、怯えるような眼で僕を見た。
――僕が酷いコトしてるみたいな眼で、見ないでよ。
兄さんの体を持ち上げ、ずるっと自身を全て引き抜いてやれば、すぐに閉じられないはしたない入り口から透明なお湯がぷしゅ、と溢れてくる。
「ひ――やああぅう!!」
「…ふふ、綺麗になったみたいだね?」
白濁の混じることのなくなったお湯を見ながら、未だぼたぼたと体内に残ったお湯を零すそこに、もう一度先端を添える。
ひくひくと求めるかのように蠢く入り口に咥えさせるように、兄さんの体を僕の腰の上へと再び降ろした。
「ッ、ああああ――!!!」
うなじの部分に見つけた噛み痕に、上書きするように噛みつく。
背中へと続く鬱血にも、残らず上から吸いついては痕をより色濃く残していく。
他人が兄さんを穢した痕跡など、何一つ残してなんかやるものか。
「ん!!っうあ…!や、め…っひあ゛!」
脇腹についた鬱血に、身を屈めて噛みつく。噛みついて、吸い上げる。
僕の歯型と鬱血痕が残った背中に満足して、兄さんの手をタイルに付かせて四つん這いにさせると、無我夢中でナカを穿った。
「ひあ!!あうっ!!あ゛!あぁぁぁあああ!!!」
びゅるりと綺麗になった内壁に精液をかけた瞬間、応えるように兄さんが蜜を吐き出した。
「あ…あぁあ…ふあ…」
くち、くち、と少しだけ腰を前後させて、精液を内壁に馴染ませるように擦りつける。
「これだけじゃあ足りないよね、もっと入れてあげるね。」
「ひぐっう!」
奥に差し込んだまま、兄さんの足を掴んでぐるりと体を半回転させる。
前側にも無数の鬱血を見つけて、また何度も噛みつくように上書きしていく。
「痛っ、んう!あ゛!い゛っ!!」
噛みつきながらナカを揺さぶると、入り口はよりきゅうきゅうと締めつけをきつくした。
「誰にも…誰にも触らせないで…」
うわ言のように呟きながら何度も何度も奥を穿ち、何度も熱を注ぎ込む。
ふと我に返ったのは、もう何度目の熱を吐き出したのかもわからなくなった後だった。
目の前には、ぐったりと力なくタイルに身を預ける兄さん。
はあはあと荒い息が漏れるだけで、もう嬌声は上がっていなかった。
「兄さん…兄さん…」
顔を覗きこむと、虚ろな瞳で兄さんが僕を見た。
震える手が、よしよしと僕の頭をゆっくりと撫でる。
「にい、さっ…」
「おまえの、ねが、い…かなえて、やる…から、」
からからになって引き攣れた声で、兄さんが途切れ途切れに紡ぐ。
力の入らない体を無理矢理起こした兄さんは、そっと、僕の乾いた唇に触れるだけのキスをした。
「だれにも、触らせない。」
兄さんの瞳に映る僕は、情けない顔をしていた。まるで、暗闇を怯える子供のような。
「これで、さいご。」
もう一度、そっと触れるだけのキスをして。
「誰にも、触らせないから…。だから、雪男、お前も。」
ふわりと優しく、兄さんの体を蒼い炎が包む。
凛と響いた声が、僕らの罪を裁くように響いた。
「そうだね…。これで…」
兄さんは誰にも穢されない。
僕はこころのどこかで酷く安堵した。
蒼い炎が兄さんを守ってくれる。
これで、もう二度と、兄さんは誰にも、僕にも穢されることはないのだから。
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夏雪さま、リクエストありがとうございました!!
総受けでエロス有りとのことで、最初4Pか!と考えてたのですが…ハードル高すぎましたぁすみません!!なので志摩+勝×燐からの雪×燐で。一つの作品で志摩・勝呂・雪男を書けて楽しかったです!
「ごめん」って言われるより、笑って流されるほうが辛いかな、と思って、そこから暴走させてみました。雪男は初めてを他人に取られたら暴走しそう。
子猫さんはね、…図書館行ってるんですう!祓魔塾生の部屋は防音完備なんですう!と言い訳します。
そしてはしたないことを言うと…志摩→太さ普通で長そう。勝呂→太くて長さ普通ぽい。雪男→巨こ…こ、このへんでだまります(笑)
好きすぎて暴走、という部分は頑張ったつもりなので貰っていただけると幸いです!
そして大変お待たせいたしましたっ!
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