ほのお



奥村くんの腹の上で温められたローションで指をどろどろに濡らすと、慣らしてもいない後孔へと指を2本纏めて添える。

びっくりして奥村くんが暴れようとしたけれど、いつもの馬鹿力はまるで子供の非力な力同然で。

ぐ、と力を入れれば、ぬめりのおかげで指は狭い胎内へぐずぐずと飲み込まれていった。

「う゛!う゛ぅ――!!」

首を左右に振って、力の入らない足で逃げようともがく。

2本の指を体内で僅かに折り曲げるようにして、手首を捻ってぐるりと内壁を掻きまわしてやれば、びくびくと内股が痙攣して自身を勃ちあがらせた。

「ケツに指突っ込まれてちょっと掻き回されただけで勃起するんやもんな、奥村くんて。俺やなくてもええんちゃうん?」

くぐもった声を上げて、『ひどい』とでも言いたげに、真っ赤な顔で涙を流しながらも睨みつけてきた。

それでも前立腺を何度も引っ掻いてやれば面白いほどに腰が跳ね、狭かった入り口も咥えるのに慣れた体はもうひくひくと貪欲に蠢いている。

「…むしろ、人間やなくてもええか、」

そう言ってポケットに忍ばせていた小さな玩具を取り出すと、ひくりと喉が震えた。

ぐずぐずに蕩けたそこに、指を引き抜くことなくローターを押し込んでいく。

「ん゛ぐ!っう゛!」

「ほら、嫌やゆうててもこんなんなるくせに。」

いやいやをするように首を左右に振り続けていても、体は与えられる快楽に少しも抗うことなく反応する。

入れたままの指でローターを前立腺にしっかり当たるように固定すると、反対側の手でローターのスイッチを入れた。

「ッん゛ぅう゛――!!!」

眼を見開いて、腰を浮かせて、びくびくと体中が痙攣する。
奥村くんの自身からは、ぼたぼたとひっきりなしに先走りの量ではない精液が漏れ出す。

「ほら、な。こんなオモチャでもええんやろ?なぁ。」

「う゛、ぐっンぅ!!」

俺の声なんて届いていないのか、必死に体を捩って逃げようとする。

「阿呆やなぁ。…どこにも逃げれんのやで、奥村くん。」

ずるりとローターを引き抜くと、力尽きたかのようにがくりと体中から力が抜ける。
これで終わらせるわけなんてないのだけれど。

いつもの意志の強い眼は今や虚ろで、ぼろぼろと涙零し続けていて。
ふー、ふー、と唾液を含んだ布に口元を覆われて、苦しそうな呼吸音が聞こえた。

そっとタオルを外してやると、唾液でどろどろになった奥村くんの下着を口の中から出してやった。

「げほっ!げほっ、は、う…っし、ま…」

「廉造ってゆうて。」

「れ、んぞ、…っれん、ぞう、」

――そうやで。その口から出るんは、俺の名前だけでええんや。

スイッチをOFFにしたローターを、そっと奥村くんの尻尾の付け根に沿えて、くるくるとコードで巻きつけるように固定する。

ぼうっとしたまま何をされているか理解していない奥村くんが、小さな刺激に微かに声を漏らした。

「もっと呼んで、…燐。」

きゅうっと中に埋めたままの指を締めつけられた瞬間、指を引き抜いて代わりにそそり立った自身を一気に奥まで埋め込んだ。

「ひ、ぅあ――!!」

ローションがぷちゅりと押し出されて入り口から零れる。
ぬちょぬちょという独特の粘着質な音に、奥村くんが かああっと顔を赤らめたのを合図のように、気付かれぬように握っていたローターのスイッチを入れてやった。

「ぃッ、あ゛ぁああ゛あア!!!」

ヴヴッという小さな羽音はすぐに奥村くんの悲鳴によってかき消される。

悪魔の急所だというそこは、付け根に近いほど強い痛みと、そして快楽を生むらしい。
ぎゅうぎゅうと自身を締めつけられて、思わず息を詰める。

「や゛あ゛ぁあ!!は、ずし、てぇ!あ゛!しま…っ!!」

「っちゃう、やろっ!」

食いちぎられそうに締めつける入り口から、無理やり先端ギリギリまで引き抜くと、またローションを足して奥まで埋め込む。

「ひぐっ!!あ゛あ!れんぞ、れん、ぞ…っおねが…ッああ゛!!」

ひっきりなしに痙攣する体を押さえつけて、何度も腰を打ちつけた。

「あうぅ、あ゛、れんぞう、れんぞ、っあああ!!」

「りん…っ、燐――っ」

舌っ足らずな声で名前を叫ばれて、応えるように熱を最奥に注ぎ込んだ。





*





勝呂のことを気にしてるのは、本当は志摩の方だ。

志摩はそのことに気付いてない。

でも、いつも言えないんだ。

だって、志摩がすげぇ苦しそうに笑うから。



きん、と耳鳴りがしそうなくらいに静かになった室内に、志摩の声が弱弱しく響く。

「奥村くんは、俺のモンやろ?」

そう、くしゃりと笑って志摩は言った。



笑っているのに、その眼は酷く怯えていて。

意識が朦朧とするなか、俺は小さく頷いた。




友里さま、お待たせ致しました!10万打を今頃…ほんと、もう、すみません!
嫉妬心暴走、大好きです!

そして、なんかすごく志摩くんについて色々考えて書きました。

勝呂は志摩の怯えの対象でもあるかなと。親や、自分を虐げる兄でさえ「坊」に従う。
リアルに志摩の境遇を考えてみたら、普通に友達やってる志摩すげぇ!と尊敬しました(何)
子猫丸のようなピュアな心はわたくし持ち合わせていないので、きっと嫉妬すると思います。坊はすげーけど。けど!みたいな。そりゃあ恋愛事が絡んで、坊と燐が仲良くしてるのを見たら気が気じゃないと思う。
おまけに末っ子で兄貴があの金兄ですし!←
れ、れんぞぉぉ!!

…とか悶々と真面目なことを考えつつエロシーン書いてました←

長々とあとがき書いてしまいましたが、友里様、リクエストありがとうございました!そして煩悩志摩くんを尊敬する機会を与えて下さって、ありがとうございました!(笑)





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