◎ ごほうび(1/3頁)
※玩具・放置ぷれい有
「おはよう、兄さん。今日は一日中 一緒に居られるね」
「お、はよ…ゆき…」
目を覚ました瞬間、目の前に完璧な笑顔で雪男がにこにことほほ笑んでいて、太陽を直視したみたいに俺は目を細めた。
明日は学校も塾も休みな上に任務も入ってないなんて。まるで誕生日みたい。祝福すべき日だね――
子供みたいに目を輝かせてそんなことを捲くし立てながら、野獣みたいに揺さぶられ続けたのはつい昨晩のことだ。
くたくたになって気絶した俺を介抱した上に、朝早くから起きて俺の寝顔を眺めてるなんて、いつから俺の弟はこんなタフになったんだろうかと思う。
なんていうか、兄として少し寂しい。ん?いや、まず俺が下になってる時点で兄としてどうなんだ、っていう…
「朝から何難しい顔してるの?」
皺を寄せた眉間にも、まだ完全に開かない瞼にも、鼻先にも頬にも唇にも、ちゅっちゅとキスをされてくすぐったくて思考が止まった。
「なぁ雪男、風呂はいんねぇ?」
昨日は晩ご飯を食べた後に一緒に風呂に入ったけど、その後でまた全身べたべたになったのだ。俺が気絶してる間、雪男が綺麗にしてくれたとは言え、やっぱりちゃんと風呂に入りたい。
「なんで?…またどろどろになるんだし、夜入ればいいよ。」
さらりと言われた言葉に、しばらくの間、思考が完全にフリーズした。
「…へ?」
どういう意味だと聞く前に、答えを知ることになったのだけど。
「んう!」
舌がぬるりと入ってくる濃厚なキスと同時に、雪男の指が腰から脇腹を撫で上げた。
「んっ、ん、んむ、ぅ、ぅあ!」
「今日は何回出せるかチャレンジしようか。…兄さん?」
「ちょっ…ちょ、待っ!うあ!」
きゅ、と股間を握られてやわやわと揉みこまれれば呆気なく反応してしまう自分の体が憎い。
「ひんっ…ぁ、ま、まだ…朝、っあ!」
「夜しか愛し合っちゃいけないって決まってないよ。」
洗濯…って今日は雨か。買い物…って一昨日買い溜めしたっけ。掃除…そう、掃除とかしなきゃいけないし!
っていうか朝からこんなコトをするのは健康に、いや、りんりてき…に?良くないと思う!
そんな言葉は全部雪男の唇に飲み込まれてしまう。
「っんんぅ…あっ…ゆき…っ」
溶けかけた理性を引きもどしたのは、雪男の無機質な携帯の着信音だった。
「……チッ」
不機嫌さを全く隠すこともなく、俺を組み敷いたまま携帯を取る。
「はい。…えぇ、休みですが。…は?……そっちでなんとかならないんですか?……はい…わかりました。」
雪男の言葉を聞く限り、どうやら任務が入ったようだ。
普段、仕事に関する雪男の電話対応の声は冷たいけど、今日の声は憎しみさえひたひたと感じるくらいに、冷たい。
だけど今日は、今日限りは、心の中でホッとしてしまった。ごめん雪男!
「……ごめん…兄さん…医工騎士が足りないんだって……」
ぎゅっと抱きついて哀しそうにそう言う雪男に、少しでも「任務が入ってよかった」なんて思ったことを後悔する。
任務が入れば雪男は現場に行かなきゃならない。危険な場所へ行かなきゃならないのに。1分1秒離れたくないって思ってくれてるのに。
「ゆき…」
そっと広い背中に手を回して抱きしめ返すと、雪男の抱きしめる腕がさらに強くなった。
「すっごい嫌だけど、行かなくちゃ。」
ぽそりと悲しそうに呟く声が耳元で聞こえる。
「うん、気ぃつけてな。…待ってるから。」
そっと一度だけ、静かなキスをして。
「うん。残念だけど『一人遊び』して待っててね?」
うん?
また悲しそうな声で理解のできない言葉を言い切った弟は、両手にモザイクをかけたくなるようなモノを持って、ふわりと笑った。
「な、なに、それっ…!?!?」
体をくるりとうつ伏せにさせられると、腰を引かれて雪男の目の前に恥ずかしいところを晒される。
「ふぎゃっ!!ゆきお!?」
「ナカのは掻き出してないから、まだ僕が昨日出したのでぐちょぐちょだね。」
ぬるぬると入り口を舐められて、つぷりと指が差し込まれる。その瞬間、とろりと太股を生温い液体が伝うのが分かった。
「ひ、あっ!んン、っ」
指をぬぷぬぷと抜き差しされると、すぐに自分のソコがひくひくと受け入れるために動くのが分かって、恥ずかしくて顔から火が出そうなくらい熱くなる。
「や…っ、ゆき…雪男っ…ひ、ぅあ、あ!!」
2本目の指が入ってきたと思った途端引き抜かれて、冷たくて固い無機質なモノがぐぐっと押し込まれていく。
指なんかよりずっと太いものに内臓をじりじりと割り開かれていく感覚から逃げたくてもがいたけど、しっかりと太股を掴まれ足首の上に体重をかけられていて逃げられそうになかった。
「やあ、っやめ、…っくる、し…っ」
「ごめんね兄さん…切れたりしてないから、ちょっとだけ我慢してね」
柔らかい声と裏腹に、押し込めていく手には容赦がない。ずぐずぐと奥まで埋め込まれると、そっと腰に口づけられた。
「はあっ、はあ、は、っゆき…、ぬ、ぬいて…」
「だぁめ。…ね、兄さん。手、貸して…?」
体内の圧迫感にどうにか気を逸らせて耐えている俺の腕に、雪男が撫でるように手を滑らせたと思った瞬間にはもう、俺の両方の二の腕と両手首には、柔らかい革で出来た布が巻かれていた。
これは―――
記憶を辿るより早く、カシンッと金属が擦れる音がして、両手首が繋がれ、次にその両手首から伸びた鎖は二の腕の布に付いた金具へと繋がれる。
まるで、祈りをささげる時のように、両手を前で合わせた格好から腕が動かせなくなる。
「い、いやだ…っ雪男!はずせよっ…!!」
「だめだよ。だってその腕 自由にしたら、自分で抜いちゃうでしょ?」
とても優しそうな声で、顔で、ひどいことを言う。
ちゅ、と一度だけ額に唇が落ちてきて、俺から離れた雪男はてきぱきと仕度を始めた。
「雪男…っ、雪男、たのむ、から…っこれ、はずし、っン…!」
ちゅぷ、と糸が引くくらいに口の中を熱い舌に掻き回されて、頭がぼうっとする。
「兄さん、いってきます。」
ほほ笑む雪男の左手には、小さなプラスティックの箱みたいなのが握られている。
「ふふ、大丈夫だよ、MAXにはしないから。」
「ッひ、あ゛ぁああ―――!!」
ヴヴ、という音と共にお腹の中をいきなり掻き回されて、全ての思考が一瞬にして焼き切れた。
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