09 Prayer-3 | ナノ


Prayer(3/5頁)


なんで、志摩が。

志摩のを舐めながら回らない頭で必死に考えたけど分からなくて、志摩が怒ってて金造さんは楽しそう。

あれ、なんで俺んちに金造さんが居るんだっけ、

脳みそが掻き混ぜられてるみたいに、上手く言葉がつなげられなくなって、喉の一番奥を何度も突かれて胃が痙攣する。

また頭が揺れてふわりと体が浮いて、おなかが熱くて。

いっぱいいっぱいのそこに、志摩のが入ってくる。

そんなの、無理だ、だって、いっぱいなのに、金造さんお願い出して、出てって、だって志摩が、

そこからはもう視界と思考が全部とぎれとぎれで、二人の言葉さえ理解できなくて、なのに感覚だけは鋭利でおかしくなりそうだった。

おなかの中が信じられないくらいにいっぱいで苦しい。

手も足も、全部紐でくくられてて少しだって動かせない。

歯ががちがちと鳴って、体中が勝手に震えた。


「奥村くん、――――――」

唯一、志摩が呼ぶ声だけ、すうっと入ってくる。
でも何か言ってるのに、うわんうわんと耳鳴りのように響いて。

必死に応えるように志摩の名前を呼んだ。「し、ま、ぁ…」

志摩の眼が、揺れた気がした。


「う あ あ、ぁあ!」

「うお、よし廉造がんばれ。これすげー…っ、裏筋も先っぽも、動かんでも気持ちーねんで、っふは、」


金造さんが何か言ってる。『廉造』って言ってたから、きっと志摩に。怒ってない、よ、な?

金造さんの顔は見えない。後ろから挿れられて唯一両手は俺の両足を掴んでるから見えるだけだ。

怒ってないといいな。だって、金造さんが怒ったら志摩が、


ぐちゃぐちゃの思考のまま、ばかみたいに空いたままの口からは勝手に音が漏れていた。

「あぁあ、あ、ふあ、あ」

まるで内臓を掻きまわされるように。おなかの奥底を突きあげられて苦しくて、なのに前立腺を何度も擦られてもうだめだと思った。

「だ…め、っし、ま、…しま、あ、もう、」

荒い息使いは、自分のものか、志摩のものか、それとも金造さんなのか、解らなかった。

水膜が揺れる視界の先で、志摩の額から顎を伝った汗が、ぽたたと俺の腹に落ちるのが見えた。

「んっぅあ、あぁあああ!!」

あまりに強い快感のせいで頭が真っ白になる。

「――っ、」

「ふ、…っ」

びしゃ、っとおなかの中に勢いよく熱をかけられて、溢れそうなくらいにとぷとぷと注がれて。

「ひんっ…んあ、あ…っ」

くたりと力が抜けた瞬間、べろりと後ろから耳朶を噛まれて耳の奥に舌を差し込まれた。

「んッ、あ、あっ」

「あーあ、気持ち良さそーな顔して。どんだけ淫乱なん」


ちがう、こんなの…、


怖いくらい無理やり快感を引きだされて追い上げられて。

気持ちよくないわけない。逃げたいくらい気持ち良すぎて、でも。

無意味すぎる繋がりが悲しくて、ぼたぼたと涙がこぼれた。


「燐くん、泣かんとって、…興奮するから。」







*








「ひあ、あっ」

「ちょっ、金兄っ」

掠れてきた燐くんの声と、焦ったような弟の声と。


あー…あかん、久々に楽しい。


ぐちょぐちゅとさっきより酷い水音を立てながら、燐くんはまるで被害者のようにぼろぼろ泣く。


あ、いちおー被害者か。

でも2本も突っ込まれて喘げるなら十分淫乱やーゆうてええ思うねんけど。


「あ、忘れてた。」

両手にかかげていた燐くんの足から手を離すと、重力のままに膝がベッドの上に落ちた。
長時間縛られているせいで血の通わない足先は白く冷たくなっていたけれど、悪魔の血が入ってれば腐ることはないだろうと放っておく。

「んんう…っ!?」

胸の突起を、軽く指の腹で撫でただけで、びくびくと小さく燐くんが痙攣する。大げさなほどヒクつく体に自分で吃驚したのか、不思議そうに自分の胸を見降ろす姿が子供みたいで可愛らしい。

「ここ、充血してるやろ。きもちー?」

足と同じように縛られ続けて、幼女のように微かに膨らんだ胸。ぷくりと立ち上がって充血する乳首を引っ掻くときゅううと後孔が閉まった。

「廉造、舐めたって。」

命令口調に苛立つように少し睨まれるものの、胸へ口づけるように、廉造がそっと身をかがめた。

「っあ、だめ…だめ…っ」

期待に濡れた声しとるくせに。

廉造も感じ取ったのか にやりと口端を上げ、紅い舌を出してそっと先端だけをちろちろと舐めた。

「んんんっ、ん、はうっ」

そして乳首を覆うように口を開け、はぷっと乳房を咥えこむ。

「んう!ぁあっ、あっ…しま、あっ」

血の気が引いていた体が、まるで花が咲くように首筋から淡く染まっていく。


燐くんの体中が、廉造を好きなのだ。


ふと理解したことに、少し苛立っている自分が居た。

俺と変わらんくらいに非人道で、愛だの恋だのには適当に触れているくせに。

俺らみたいな人間は、一途に想われる、なんて縁遠いことなはずなのに。


ずるいやんか。


そっと髪を留めていたピンを外すと、指を挟んで拡げる。

廉造が口に含んでいる反対側の乳首をバチン!と挟んでやった。

「ィぎっ…!!いあ゛あ゛!?」

「っわ、なに…!?」

燐くんの反応に驚いた廉造がそこから口を離す。

「俺、悪ないもん、っは、あー…きっつ、」

充血したそこを挟まれるのは相当痛いのか、ぎゅうぎゅうと苦しいくらいに締めつけられる。

「あうう゛っや、あ゛…とって、っひぐ、」

「まだあかーん。」

縛られた上にピンで挟まれて更に充血して真っ赤になった乳首をデコピンするみたいに指で弾いてやる。

「あ゛!あ゛っ!い、やあ゛あ、」

鳴き声と悲鳴が一緒になったような喘ぎ声。けれど覗くように燐くんの自身を見てみれば、萎えることなくふるりと自身を勃ちあがらせたままで。

「あははっ、」

笑いだした俺に、燐くんはびくっと震えて身を強張らせ、廉造は眉根を寄せて不安げに見上げてきた。


だっておもろいやん?まだいけるんやろ、燐くん。



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